名門下関ゴルフ倶楽部、理事長不在で崩壊の危機(前)
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かつて日本最高峰のトーナメント「日本オープンゴルフ選手権」を2回も開催する栄誉を受けた名門下関ゴルフ倶楽部が、長い内紛の末に理事長不在で崩壊の危機に見舞われている。ことの起こりは2013年の臨時総会。一般社団法人への改組を目的としたこの総会で、福田浩一理事長(山口FG社長・山口銀行頭取)が「クラブは3,000万円の赤字経営」と口を滑らせたこと。問題は常態化していた運営陣の「ゴルフ半額プレイ」におよび、ついには裁判によるプレイ料金返還訴訟にまで至った。16年11月の判決では運営側の全面敗訴。その後の動きを追った。
敗訴の理事長退任で理事長不在の異常事態に
2016年12月9日、福田理事長と梅崎弘毅キャプテン(梅崎礦業(株)会長)の代表理事2人が敗訴したことを受け、シーモール・パレス(山口県下関市竹崎町)で臨時理事会を開催。福田理事長は辞任を申し出たが、後任を引き受ける者は現れず、選定は後日となったという。12月19日には、被告側の沖田哲義弁護士より広島高裁に控訴するとの連絡が、原告側の今村俊一弁護士を通じて「下関ゴルフ倶楽部を愛する会」(住世話人)に入ってきた。また支払い命令で199万円ともっとも多かった田口三郎前キャプテンの弁護士が交代することも告げられたという。
被告側の足並みが乱れることになった大きな理由は、抱えている問題が今回の裁判だけではなく、「無料プレイ」「飲食費」「接待交際費」などについても争われており、その支払金額は2~3倍以上になると見られているからだ。
12月21日には定例理事会が開催され、下関ゴルフ倶楽部の代理人である沖田弁護士から12月22日付で、原告の代理人弁護士に「ご通知」が送付されてきた。以下、文面である。
<新理事長について>
・現理事長である福田浩一代表理事は、平成28年12月31日をもって、理事長及び理事を辞任されます。
・(現副理事長である)中部哲二代表理事が、平成29年1月1日より、理事長代行として職務を行うことになります。
・新理事長は、平成29年3月に開催される定時社員総会までに、理事会で新たに選任することとなりました。(以下省略)16年12月31日付で福田理事長が理事長および理事を辞任。創業家であり、かつ正当な会員価格でプレイをしている中部哲二代表理事に理事長就任を求める声が多く上がったが、本人は頑なに固辞。それ以来、理事長不在が続くことになった。
異常ずくめの定時総会
下関ゴルフ倶楽部の第3期定時総会が3月30日、午前10時からシーモール・パレスで開催された。今年も16年3月23日に開催された第2期定時総会と同様に、下関地裁の決定を受けて総会検査役が立会うという異常事態のなかで進められ、4時間におよんだ総会は午後2時過ぎに閉会。そのあと理事会が開催されたが、理事長は決まらなかった。福田理事長は後任を指名することなく、中部哲二代表理事が理事長代行という、不可思議な経営形態が続くことになったのだ。
総会に提出された議題は、委任状により法人提案が賛成多数で可決されたが、会場内は社員提案に賛同する声が多かったと伝えられる。
決議された内容は以下の通り。
・福田理事長の後任として監事を辞任した沖田哲義氏が法人提案の理事として選任された。
・監事には法人提案の小倉國雄氏が選任された。(つづく)
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