森友学園、民事再生法申請を検討か
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大阪市の学校法人「森友学園」が、近く大阪地裁に民事再生法の適用を申請する方向で検討しているという。
森友学園は、大阪府豊中市で私立小学校「瑞穂の國記念小學院」の開校を今年4月に予定していたが、設置認可の申請を取り下げ、開校を断念。だが、すでに木造2階建ての校舎建物の工事はほぼ完成しており、同校の施工を担当した藤原工業(株)(所在地:大阪府吹田市、藤原浩一代表)が、森友学園からの未払いの工事代金が16億円以上に上る見通しを明らかにし、そのうち支払期限の過ぎた約4億円の支払いを学園側に求める訴訟を大阪地裁に起こしていた。
また、森友学園と財務省近畿財務局が取り交わした契約では、3月末までに開校準備ができなければ、国は土地を買い戻すか、契約を解除することになっていた。その際に森友学園側には校舎を解体して更地にする義務が発生するが、その期限も迫っていた。
さらに、同学園が運営する「塚本幼稚園」(大阪市淀川区)が特別な支援を要する園児の受け入れにともなう補助金を大阪府から不正受給した疑いで、府教育庁が2017年度分の補助金を交付しないことを決定。大阪市も今月17日、「要支援児」の受け入れにともなう補助金の交付決定を取り消した。このような状況下で、同学園は多額の債務を抱えたままでの経営継続は困難と判断し、今回の民事再生法の適用申請を検討しているとみられる。
今後、森友学園が民事再生法の適用を申請すると、地裁では監督委員を選任したうえで、再生手続きの開始が決定される。その後、再生計画が債権者集会で同意を得られれば、学園の現理事である籠池町浪氏らは引き続き経営に関わることもでき、運営する「塚本幼稚園」の事業継続も可能になる。同学園に関してはこれまで、大阪府豊中市の国有地が大幅に安く売却された問題や、政治家の関与の有無をめぐって、3月23日に前理事長の籠池泰典氏の国会への証人喚問が実施。その後も、数々の新たな問題が噴出し、連日のようにマスコミをにぎわせている。今回の民事再生法申請で、一連の問題に1つの区切りがつくかたちになるのかもしれないが、まだ解決していない問題は多い。一番の被害者である子どもたちやその保護者らにとって、もっとも納得のいくかたちでの決着を望みたい。
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