「Computex Taipei 2017」記者発表会~ますます密接化する日台経済
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4月19日、パレスホテル・東京(千代田区丸の内)にて、台湾発の世界最大級のICT展示会「Computex Taipei 2017」(5月30日~6月3日)に関する記者発表会が開催された。台湾貿易センター(TAITRA※)葉明水秘書長の挨拶、担当マネージャーによる展示会の概要説明に続いて、出展企業を代表して、NTT Taiwan、デルタ電子、GIGA-BYTE TECHNOLOGYから3名のゲストスピーカーが登壇した。
今年日本からの参加者は3,500名を見込んでいる
葉秘書長は先ず「日台の経済関係は大企業ばかりでなく、中小企業においても、近年ますます密接化している。Computexの2016年実績でも日本からの来場者は世界で2番目に多い3,100名(第1位は中国本土で、第3位は米国である)で、37回目を迎える今年はさらに増えて3,500名を見込んでいる。そのような大切な日本の皆さんに、今年のComputexは『何が新しいのか』、『どこが変わったのか』をぜひ伝えたいと思い、本日の記者発表会を開催した」と日本企業、日本国民に熱いエールを送った。今年は37回目を迎える歴史のなかで初めて日本語公式サイトが開設された。
台湾はICT人材が豊富で知的財産権も保護される
また、葉秘書長は中華民国政府の掲げる「アジアのシリコンバレー計画」にも言及。「日本企業で台湾に投資を行っている企業の約77%が黒字を達成している」ことや「現在台湾には世界で有名なハイテク企業の47社が進出、65カ所のイノベーション開発センターを設けている」という事実を披露した。さらに、「台湾にはICTに関する人材がとても豊富で、かつ知的財産権も的確に保護されている」とアピールした。
20カ国、1,600を超える出展企業で5,010ブース
今年の「Computex Taipei 2017」では、20カ国以上から1,600以上の企業が出展、5,010のブースが開設される。総括テーマは「グローバル・テクノロジー・エコシステム」で(1)AI&ロボティクス(2)IoTアプリケーション(3)イノベーション&スタートアップ(4)ビジネスソリューション(5)ゲーミング&VRの5つがメインテーマとなっている。
昨年評判がよかったゲーミングエリアを専門エリアに
会場内のテーマ別専門エリアは、昨年より1つ増えて、以下の4つとなっている。
(1)InnoVEX(スタートアップ企業専用エリア):IoT & Big Data、e‐コマース、バーチャル・リアルティー & 拡張現実(AR)、人工知能(AI)および破壊的イノベーションが主なテーマとなっている。
(2)SmarTEX(IoTに関する最新のアプリケーションおよび製品を展示):セキュリティ製品、スマートホーム & エンターテインメント、スマートウェアラブル、IoVと車載電子、3Dプリントとスマートビジネスソリューションなどが展示される。
(3)iStyle:デザイン性と品質を兼ね備えたAppleのMFi認証を取得した製品が展示される。
(4)Gaming & VR(ゲーミングパフォーマンスを実現したプラットフォームを展示):「ゲーミングは昨年の参加者の評判が非常によく、また出展企業の多くから強い要望があり今回新たに専門エリアを設けた」(葉秘書長)
ゲーミングノートパソコン、ゲーミングデスクトップ、ゲーミング用周辺製品など、ゲーミングパフォーマンスを極限まで追求した製品を展示、同時にバーチャルリアリティ(VR)世界が体験できる。この専門エリアには、Acer、Asus、MSI、Thermaltakeなど60社を超える有力企業が名前を連ねる。また、期間中には、e-スポーツ(ZOTAC CUP MASTER)、オーバークロック(G.Skill、HWBOT)などの世界大会が開催される。
世界の優れたスタートアップ企業に出展要請を
Computexといえば、必ず比較されるものに米国開催の世界最大の家電見本市「CES」そして「CESアジア」がある。近年の傾向であるが、CESの方はかなり自動車関連に力を入れている。一方で、Computexはイノベーション&スタートアップ、IoTアプリケーション、ゲーミング&VRに力を入れている。とくに、スタートアップ企業の発掘には熱心で、今回も葉秘書長自ら、優れたスタートアップ企業を発掘、出展を要請するために、アメリカ、フランス、オランダ、イスラエル、インド、韓国、日本など世界中に足を運んでいる。今年も「InnoVEX」専門エリアは熱く盛り上がることが期待できる。
Computexで訪台の際には、ぜひ観光も一緒に
16年実績で台湾人の訪日観光客は400万人を突破した。しかし、日本人の訪台観光客は約180万人に留まっている。最後に、葉秘書長は「Computexで訪台した際には、時間が許せば、ぜひ観光もして欲しい。台湾現地の文化、生活にぜひ触れて欲しい」と述べた。また、今年もComputex参加者はビジターバッジで会期中は地下鉄に無料アクセスができる。しかし、それ以外にも「観光に関してもTAITRAとしてできる限りの協力をしたい」と葉秘書長は述べた。
【金木 亮憲】
※TAITRA(台湾貿易センター)1970年に設立された台湾最大の非営利貿易振興団体。世界各地に約60の海外支部があり、日本には東京、大阪、福岡の3カ所に事務所がある。台日間の貿易促進、パートナーシップの強化を目指し、年間20以上の日本市場開拓ミッションを招き、数多くの見本市へ出展し、 日本、台湾間の貿易の振興を図っている。今回来日した葉明水秘書長は台湾の貿易振興、さらに世界の展示会業界で強い影響力を持つ人物である。今月、貿易の国連とも言われるWTCA(世界貿易センター連合)の理事に選出された。
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