2024年11月22日( 金 )

ブーム収束後、苦戦する焼酎業界~「クロキリ」人気の霧島酒造が他を圧倒

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 2000年頃から始まった「第二次焼酎ブーム」により、業績を伸ばしてきた各焼酎酒造。しかし近年では若者のアルコール離れや景気の低迷、カクテルやウイスキーの台頭による嗜好の多様化などから、多くの焼酎酒造が苦戦を強いられている。

 売上高首位に立つのは、宮崎県の霧島酒造(株)(本社:宮崎県都城市、江夏順行社長)で2016年の売上高は650億円。本格芋焼酎「黒霧島」で全国的な人気を博し、2位の三和酒類(株)(本社:大分県宇佐市、和田久嗣社長)の売上高477億円と水を空ける。

 現在では断トツの売上高を誇る霧島酒造だが、売上高首位に立ったのは2012年と最近のこと。同年の霧島酒造の売上高は515億円。前年より6.1%の売上高を伸ばした。9年連続売上高トップから2位に転じた三和酒類の同年売上高は503億円で、前年比売上高伸び率は0.4%増。霧島酒造に抜かれたものの、売上高の差は12億円と大差ではなかった。
 翌13年では霧島酒造が前年比0.5%増で518億円に対し、三和酒類は同0.6%減で500億円と、前年比伸び率の増減に差が出た。2社の情勢が大きく変動するのは、14年度のこと。霧島酒造が前年比9.1%増の売上高565億円を計上したのに対し、三和酒類の売上高は同3.6%減で482億円。三和酒類は04年以降初めて500億円を切ることとなった。

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 3位の酒造については、年によって多少の入れ替えはあるものの、ピーク時でも売上高は200億円台で、上位2社とかなり開きがあるまま変わらない。また、焼酎ブームが収束を迎える08年から売上高は徐々に減少傾向を辿り、15年では160億円台まで衰退した。

 多くの焼酎酒造の業績が下り坂となっていく08年。霧島酒造は同年を機に、さらに売上高を伸長させていく。それまでの他にも分配されていた本格焼酎のシェアを、一人で食っている状況になっている。

【中尾 眞幸】

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