大河ドラマ招致実現で柳川を活性化へ(3)~柳川市長 金子 健次 氏
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今年4月、任期満了にともなって行われた福岡県柳川市長選挙は、現職で自民、公明推薦の金子健次氏(68歳)が無投票で三選を果たした。大和町、三橋町を加えて発足した2005年の新市発足後、無投票は初。これまでの市政への取り組みが評価されたと言えるだろう。力士からメダリストまでと話題に事欠かない柳川であるが、金子市長に柳川市政のこれまでとこれからについて聞いた。
(聞き手:弊社代表・児玉 直)
坂井選手、琴奨菊関がPRに貢献
――さて1期目、2期目を終えました。1期目で種を撒き、2期目で根がついて実がなり、3期目で刈り取りになりますね。
金子 2期目は、さまざまなことに恵まれました。たとえば郷土の力士である琴奨菊関は、昨年の初場所で優勝しました。これにより柳川が、テレビや新聞などに盛んに取り上げていただけました。関取は大変律儀な男でして、場所前や勝ち越しした際、千秋楽には必ず電話をいただきます。また、琴奨菊関が土俵に上がると、場内アナウンスで「福岡県柳川市出身 佐渡ケ嶽部屋」と呼ばれるだけで、柳川市のPRになりますね。
――昨年、結婚式も柳川で挙げていましたね。全国放送のニュースでも紹介され、話題となりました。
金子 とてもありがたいです。関取には柳川市の観光大使になっていただいているのですが、自身が1勝するにつき懸賞金から1万円をふるさと納税で寄付してくれています。納税額は80万円ほどになりました。我々はそのお金を使って、小学校にまわしを贈る計画があります。大関からは陥落してしまいましたが、いつも彼には郷土出身力士の先輩にあたる魁皇関(現・浅香山親方)のように、息の長い関取になってほしいと話しています。
――それはとても良い話です。
金子 昨年のリオ五輪で銀メダルを取った坂井聖人選手(柳川高校卒、早稲田大学在学中)も柳川出身です。昨年の五輪前に博多で激励会があり、そのとき、彼から「もし優勝すれば花火を打ち上げてほしい」とお願いをされていました。予選会の順位は5~6位だったので、3位以内には入らないと思っていたのですが、決勝で最後に怒涛の追い上げで2位になり驚きました。市民の方々と、テレビの前で応援していました。
――たしかに水泳の坂井聖人選手(リオ五輪バタフライ200m銀メダリスト)の活躍も、柳川の知名度を上げましたね。
金子 我々はその功績を称え、「市民栄誉賞を出します」と坂井選手のお母さんに話したのですが、まさかの断りの返事がありました。理由は、「2020年の東京五輪で金メダルを取ったときにください」とのことでした。その代わり、「川上り」をやりたいとのことでしたので、「川上り」での凱旋パレードを行いました。
――坂井選手は立派ですね。柳川は、古き良き城下町の義理人情が残っています。金子市長も、市民の方々が盛り上がっているのが、いやがうえにもわかるでしょう。
金子 琴奨菊関、坂井選手のおかげで、柳川も全国的に注目されるようになりました。この良い流れを絶やすことのないよう、今後は観光に力を入れていきたいと思っています。
(つづく)
【文・構成:矢野 寛之】<プロフィール>
金子 健次(かねこ・けんじ)
1948年8月、福岡県三橋町(現・柳川市)生まれ。福岡県立山門高校、福岡大学商学部を卒業後、三橋町役場に入庁。2005年3月、柳川市、大和町、三橋町が合併し、新柳川市誕生後は、柳川市役所の福祉事務所長、議会事務局長を歴任。09年4月、柳川市長に就任した。関連記事
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