NTTグループでComputex Taipeiを盛り上げたい!(前)
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NTT Taiwan Ltd. 総経理 惠木 教文 氏
台北で、東南アジア最大規模を誇るICT見本市「Computex Taipei 2017」が5月30日から6月3日まで開催された。中華民国対外貿易発展協会(TAITRA)と台北市コンピュータ同業組合(TCA)が共催する同見本市は、20カ国から1,600を超える企業が出展。5,010のブースを構え、来場者は6月3日正午の時点で167カ国から4万1,378人(昨年比1%増)を数えた。日本からも19社が出展。期間中の日本からの来場者は3,500人(公式発表前)を数えた。昨年に続いてComputexに出展し、日本企業として最大規模のブースを構えるNTT Taiwan Ltd.(以下、台湾NTT)の総経理の惠木教文氏に話を聞いた。陪席は惠木総経理と同時期に台湾に赴任し、今回ブースの実務責任者を務めたシニアディレクター・プロダクトマネージャーの森一浩氏である。
新しいものを積極的に取り入れ発信する力強さ
――まずは、今年の「Computex Taipei」の第一印象からお聞かせください。
惠木氏(以下、惠木) 台湾NTTのComputex出展は、今年で3年目です。2015年に初めて出展したときと比べると、良い意味でも悪い意味でも、ラスベガスなどの欧米のICT見本市のように洗練されてきた印象がします。と申しますのは、台湾の地場・中小企業がそれぞれ小さなブースを自前で構え、一見泥臭いように見えても、真剣に細かく応対してくれる点も、この見本市の大きな魅力と思っていたからです。そこには、思いがけない発見も多くありました。とは言っても、洗練されたからといってComputexの魅力が薄れたわけではありません。
台湾NTTは、台湾に進出した当初の日系企業がお客さまの中心だった時代を経て、今では売上の80%を台湾を含めた外資系企業のお客さまが占めています。対外的に強くアピールしていく必要性があり、その意味でこの見本市を大切に思っています。日本でも、「Interop Tokyo」(幕張メッセ)をはじめ、複数の大きなICT見本市や展示会があります。しかし、来場者は海外の方が少なく、グローバルさがあまり感じられません。日本には、応分の市場規模があることが原因と思いますが、日本社会のなかで閉じてしまっており、勢いを感じません。その点、Computexは新しいものを積極的に取り入れて発信していこうとする力強さを感じ、私はその点を評価しています。
森氏(以下、森) ブースにご訪問いただいた方や、さらに会場を見わたした場合でも、今年は欧米や中東などの方よりも、日本人や韓国人の方のご来場が増えたような印象を持っています。
先ほどの話の“洗練”というキーワードで言えば、南港展示センター(展示会場は南港展示センター、世界貿易センター展示ホールと国際会議センターの3カ所)などは、「Gaming&VR」(ゲーミングノートパソコンやゲーミングデスクトップ、ビデオカード、ゲーミング周辺製品などを展示し、同時にバーチャルリアリティ(VR)世界を体験)関連がすごく目立っていました。IoTは重要とわかっていても、結構ハードルは高い
――今年の台湾NTTブースの特徴は、どのようなものですか。
惠木 3年目の今年は、「台湾NTT」(NTTコミュニケーションズ(株))単独ではなく、「NTT AT」(NTTアドバンステクノロジ(株))、「NTT-TX」(NTTテクノクロス(株))のグループ企業3社の共同出展になりました。もともとNTT-TXは、日本から単独で出展していました。お互いのミッションは、ネットワークを中心に最先端の技術を開発し、IoT関連サービスを提供していくこと―と共通していたので、今回は一緒にブースを構え、協力して広告効果を高めることにしました。そこに、前から海外進出を考えており、NTT-TXと近い関係にあるNTT ATが加わりました。相乗効果は大きかったと思っております。NTT ATは、日本で記者発表前の新しいシステム(研究所向けIoTの新しいゲートウェイのアプリ)を披露するなど、各社それぞれ注目を集めていたと思います。
台湾NTTは、IoT関連ソリューション商品の「Thing Cloud」を披露しました。「Things Cloud」は、デバイス接続からデータ収集、可視化、分析、管理などIoTの導入に必要な機能・プロセスを、多彩な機能やさまざまなシーンを想定したテンプレートなどにより、ノンプログラミングで簡単・短期間で実現できる「Application Enablement Platform」です。拡張性やデータ可視化環境を備えており、プロトタイプの作成からその検証、実運用まで、顧客のIoT導入を一気通貫で対応します。また、豊富なAPIにより、さまざまな外部アプリケーションとの連携も容易なため、収集データの高度な分析や、顧客のビジネス拡大に沿ったシステム拡張にも柔軟に対応可能です。顧客のIoT活用による業務改善や「product as a Service」(製品のサービス化)の実現による新たなビジネス創出に向けたシステム開発だけでなく、IoTソリューション構築ベンダーの方々にも構築・実行基盤として活用いただけるものです。
IoTは、重要性はわかっていても、いざ始めようとすると結構ハードルが高いのが実情です。そのため、「Thing Cloud」はとても人気で、評判も良かったです。森 私は、ブースで貴重な体験をしました。NTTグループ企業は1万社以上あります。それぞれが特化した高いレベルの技術開発を行っておりますが、日常はグループ企業の詳細を知るチャンスはほとんどありません。しかし今回、同じブースに一緒に立ってみると、お互いに協業できる可能性がとても多くあることに気づきました。また、自社でベストマッチングできなかったとしても、他の2社を紹介し、訪問客の皆さまに、NTTグループとしてのソリューションを訴求でき、当ブースに長時間滞在していただけたことは、3社の相乗効果によるものだと感じています。
(つづく)
【金木 亮憲】<プロフィール>
惠木 教文(えぎ・のりふみ)
1989年3月、慶応大学経済学部卒業。同年4月、日本電信電話(株)に入社し、NTT西日本に配属。91年4月、NTTインターナショナル出向。94~96年、伊藤忠商事米国子会社出向。96年4月、NTTWT出向。99年、NTTコミュニケーションズ(GS部~IPI部~チャネル営業本部~グローバル事業本部)。2014年8月に総経理としてNTT Taiwanに出向し、現在に至る。関連記事
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