亀田製菓(株)グループで、非常食や宇宙食製造販売業の尾西食品(株)(本社:東京都港区、小寺芳朗代表)は6月15日より、「にぎらずにできる携帯おにぎり」の販売を開始した。
同品は「アルファ米」と呼ばれるアルファ化した米を使用している。アルファ化とは、でんぷんを水と加熱することで、でんぷん分子が規則性を失い、糊状(アルファ状)となる状態を意味する。同社ではその状態をもとに、炊きたてご飯のおいしさをそのままに急速乾燥させ、水を加えるだけで米飯に復元する製法を開発し、お湯または水を入れるだけで、にぎらずに三角形のおにぎりができるというもの。
手を汚さずに作って食べられる3点カット方式で、かさばらず、軽量でコンパクトなパッケージ形態であることから、旅行やアウトドアの携行食や災害時の非常食に、また賞味期限が5年と長期保存が可能で、備蓄食としても最適だとしている。「鮭」、「わかめ」、「五目おこわ」の3アイテムを揃えている。
同社は1935年創業。日本人の主食である「米」を中心としたでんぷん食の研究として、80年以上にわたり、アルファ米の研究および製品開発を続けている。第二次世界大戦中の44年、当時の日本海軍の軍用食料開発の要請でアルファ米の原型となる、水を加えるだけで米飯に復元する「乾燥飯」の工業的製法の確立に成功。終戦後は非常用備蓄食糧として、食糧不足のなか、戦後の国民の栄養と食生活改善に貢献したという。2005年には、宇宙航空研究開発機構(JAXA)との共同開発により、アルファ米製品が宇宙ステーションの食糧として採用された。13年に亀田製菓グループの傘下となっている。
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