元「鉄人」衣笠氏が斬る!~巨人軍の投手は?
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現役選手を終えて、野球をネット裏から見るようになって、もう30年が過ぎようとしている。この間、多くのいろいろな試合を見てきた。野手陣がグランドを走り回るダイナミックな試合、投手の息をつかせぬテンポでホームベースにボールを投げ込んで来る早いテンポの試合。だが、そのような試合は、本当は少なく、多くの試合は「ここでこうしておいたら」「ここでこうしなければ相手に流れを持って行かれるよ」「なぜこれに気がつかないのかな?」「これは練習してないな~」――そうしたことを気にしながら、考えながら見ている試合がほとんどである。
そして、関東中心に試合を見る場所を移して生活しているため、関東はやはり巨人ファンの方が多く、巨人の調子が悪い年は周りの機嫌が悪くて、本当に大変である。「衣笠何とかならんのか?」「衣笠さん何とかしてよ!!」「どうしたんですかね」――このような声のなかで連日住んでいるが、どうも今年もそんな年になりそうである。
昨日(7月23日)の試合で、Denaの筒香選手がサヨナラ本塁打を記録して、派手な見出しで試合は終了。今年のDenaの勢いを煽っているような記事が多い今日の新聞紙だったが、今年の巨人はこのような見出しに使われることが多いと思うのだが、なぜだろうか。
開幕からここまで、投手陣が余りにもコンディションの良い投手と悪い投手がはっきりしすぎているのが気になる。前日にエース菅野投手が、「10勝を記録、完投するのではないだろうか?」という期待を抱かせての8回までの素晴らしい投球を見せ、10勝達成だった。それも、両リーグ初の記録だけに、巨人の投手陣がキャンプからここまで環境が悪くてとは言えないと思うのだが、田口投手も今年は良いコンディションで頑張っている。マイコラス、マシソン投手も、多少のブレはあるが、良いと思う。
では、この他投手との大きな成績の差はどこから来るのか、何がこの大きな差を生んでいるのか――。期待されている内海投手、大竹投手、高木投手の調子が上がらず、移籍組の山口、吉川がチームにまだ馴染めず、抑えのカミネロ投手が安心して見ていられるところに来ない。
先発投手が崩れたときに出て来る2番手の桜井、田原、森福、西村、戸根、江柄子、池田などの投手も、もう1つ自分の投球を見つけないと、相手打者は組みやすいと思う。キャンプから練習は同じメニューをこなし、同じコーチが見つめて、教えているはずだが、大きな差がついてしまっているところは、どうしたことだろうか。調子の悪い選手、調子の出ない選手には、その原因や傾向をコーチがしっかりと調べて本人が納得するまで教えてやる必要があると思うのと、どのような練習で直すのか。ここも大切なところだと思う。
ドラフトのときには、大いなる期待を持って指名したはずの多くの投手たちだけに、後半戦もう一度チャンスを与えたい。投手陣もそうだけれど、ファンの方から見ていると、今年の問題はむしろ打撃ではないかと見えるだろう。前半こそ中井=立岡の1、2番で我慢していたが、何度か前後を入れ替えて見たが、30試合を過ぎたころから我慢できずに、次の選手を使うようになってしまった。ここから、なかなか固定できずに苦しんでいると思うが、1番・長野、2番・マギー、3番・坂本、4番・阿部(少し疲れがきているかも?)、5番・村田、6番・陽というところに、最近は落ち着こうとしている。
ただ、4番、5番の疲れを見ながら、どのようなプランを持って戦うか。追いかけるチームとしては、難しいところにいると思う。とにかく追いかけなくてはならないだけに、多少の無理はしなくてはいけない時期に来ていると思う。
この打線、私の目から見ると「つながっていない」と見えるところが一番困っているところだと思われるのだが、打線がつながらない、前後の打者の意思が伝わっていないように感じる。
これでは、相手投手は怖くないと思う。全員で相手投手に襲いかかる。だから投手は嫌なのである。
良い例が、広島の打線だろう。つながりを感じる。1日も早く、打線のつながりの回復がほしい巨人打線である。言いたいことはまだまだあるが、まずはここが1番かな?
2017年7月26日
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