バブルが去ったインバウンドで今売れている商品は?
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訪日観光客は伸びたことで、数年前には「爆買い」などの爆発的なインバウンド需要が起きてから約2年。訪日観光客の消費マインドや購買傾向の変化などで百貨店業界をはじめとする各小売業界が苦戦を続けているなか、いまだにインバウンド需要の恩恵を受けているのがドラッグストア業界だ。
では今、インバウンドで何が売れているのか。全国のドラッグストアやスーパーマーケットの購買傾向を分析・解析する、カスタマー・コミュニケーションズ(株)が興味深い購買データを提供している。同社では全国のドラッグストアにおける店舗情報をベースに、外国人観光客が多く集まり、かつ銀聯カードが利用可能などのクレジットカードが利用可能な観光エリアを対象に調査。POSデータをもとに、実売された1レシートあたりの購入金額が5,000円以上(免税対象)の購入条件をインバウンド消費と定義。「誰が、どのような商品を、いつ、どのくらいの数量がいくらで売れたのか」を解析している。
このデータをもとに、直近6月のインバウンド実売購買状況を見ると、購入する訪日観光客は中国(香港)・台湾では平均で87%と最も多く、1レシートあたりの購買単価は1万4,344円。これはドラッグストア全体の平均購買単価(1,746円)と比較すると、8倍以上の単価であり、この金額を見ても、ドラッグストアでのインバウンド需要の大きさがわかる。
商品カテゴリー別の購入比率については「医薬品」が33%、「化粧品」が30%、「菓子類」が30%、「日用品」が7%であるといい、直近6月の売上個数でトップだったのが、参天製薬の目薬「サンテFXネオ12ml」。次いでUHA味覚糖のグミ「UHA味覚糖コロログレープ48g」が2位、3位には資生堂の洗顔料「専科パーフェクトホイップn120g」で、商品カテゴリー別の購入比率に反映した結果となっている。3位以下で売上げが伸長しているカテゴリーが「かゆみ・虫さされ用薬」だといい、夏場という季節柄もあり、和光堂が販売する「和光堂虫きちゃダメ60枚」は購入個数で5位にランクインしており、ランク外では池田模範堂の「液体ムヒS50ml」が急激に伸びているという。
こうして実売動向からみるインバウンド需要を見ると、相対的に実用的な生活商材が目立つ。背景には消費税の免税がこれまで1万円を超える家電や宝飾品、衣類などの非消耗品に限られていたのが、食品や飲料、医薬品、化粧品といった生活商材や消耗品が対象になったのも大きい。加えて今ではどこの有力小売店も免税カウンターがあり、利便性も高くなっている。まだまだインバウンド需要を狙う企業は参考になるデータではないだろうか。
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