話題沸騰のバイオシミラー(前)
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日韓ビジネスコンサルタント 劉明鎬(在日経歴20年)
韓国では最近「バイオシミラー」という単語が、連日マスコミを賑わしている。セルトリオンという会社がバイオシミラーで大きな成功を納め、それが話題になっているからだ。
「バイオシミラー(バイオ後続品)」とは、「先発医薬品の特許が切れた後に発売されるバイオ医薬品」を指す。「ジェネリック医薬品(後発医薬品)」のバイオ版というような印象を受けてしまうが、シミラーとは日本語で「似ている」という意味のこと。バイオシミラーの場合は、先発医薬品と成分がまったく同じというわけではなく、似ている成分で構成されているので、このような名称が付いている。
バイオ医薬品を製造する際には、細胞に対して遺伝子を組み込む。この遺伝子を組み込んだ細胞は、世の中に唯一存在するもので、そもそもまったく同じ細胞をつくることは不可能だ。このような事情から、バイオ医薬品は先発医薬品をベースにしてつくったといっても、厳密に言うと完全に同じにはならない。化学医薬品の場合は、ケミカル成分でできているため複製がしやすい。しかし、生きているタンパク質細胞を利用するバイオシミラーの場合は、工程の環境がどうしてもその都度変わってしまう。
それでは、バイオ医薬品の世界市場はどのようになっているだろうか。
バイオ医薬品の世界市場は、急成長中である。そのなかで、バイオシミラー市場は2015年から19年まで年平均48%の成長率で成長し、239億ドルの市場になると予測されている。現在、世界で売れている医薬品トップ10のうち、バイオ医薬品は7品目を占めている。そのような状況なので、バイオシミラーの市場も当然拡大されていく。とくに18年に特許が切れるバイオ医薬品が多く、製薬会社を中心にバイオシミラーに対する関心は徐々に高まっている。
また、バイオシミラーは医療費の低減につながるため、採用が加速化する可能性も高い。これまで、バイオ医薬品は高価であり、市場自体に競争があまりなかったが、バイオシミラーによって競争がもたらされるという良い効果も期待できる。
(つづく)
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