8月、福岡市は市内に本店を置く建設会社A社に対し、2カ月間、入札参加を停止する措置を発表した。いわゆる指名停止である。同社は市発注工事の落札者となったが、後日入札金額を「誤った」として、契約を辞退したのだ。
このような契約辞退は珍しいことではないが、入札結果を見ると疑問が生じる。
「入札金額を誤った」のであれば、ケタを間違えるなど次点とは大幅な金額差が出てしまうはずだ。予定価格は約370万円。しかし、実際、次点との差額はわずか20万円しかなく、誤りとは思えないのだ。
また予定価格からそれほど大きく離れているわけでもない。仮に、本当に金額に誤りがあったとしても、「辞退して指名停止になるぐらいなら、赤字覚悟でもやるしかない」と考えそうなものだが・・・。
なお、落札者が辞退した場合、次点者が落札者となる。しかし、落札金額は変更できないため、最初の落札者が入札した金額で次点者が請けるかどうか、となる。次点者が2社以上の場合、交渉権はくじ引きで決まる。
【東城 洋平】
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