あえて問う。「日刊スポーツ」はなぜハリルホジッチ監督を攻撃するのか~サッカー日本代表(前)
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W杯出場を決めた翌日、怒りの会見
まさにペンの暴力である。
いわれのない被害を受けているのは、先日のW杯最終予選で鮮やかにオーストラリアを下し、6大会連続のW杯出場を勝ち取ったサッカー日本代表のヴァヒド・ハリルホジッチ監督だ。ハリルホジッチ監督は、なぜか日本の一部スポーツマスコミから執拗な攻撃を受けている。ついに9月1日の記者会見では、「私を攻撃しているメディアがあることも耳に入っていました」と語り、さらに「私に敬意を払っていなかった方々、私の仕事を評価しない方々、もちろんそういう方々もいるでしょう」と怒りの言葉を発するに至った。
ではいったい、ハリルホジッチ監督にはどのような攻撃が浴びせられたのか。
まずはこの記事である。
田嶋会長が最終決断、豪戦結果次第でハリル監督解任
(8月24日配信)よく考えてほしい。この記事はオーストラリア戦の1週間前のものだが、この段階で最終予選グループ1位、残り2試合で1試合でも勝てばW杯出場決定、引き分けでも可能性が残るという状況で代表監督をクビにする国がどこにあるというのか。しかも記事を読んでみると、なんとオーストラリア戦が引き分けでもクビの可能性がある、などと書かれている。
オーストラリア戦に引き分けか敗れ、W杯出場をこの試合で決められなかった場合は、協会トップである、田嶋会長が最終的な判断を下す見込み。
この記事で取材している日本サッカー協会の西野朗技術委員長は「今はポジティブな話だけで仮定の話はしていない」と答えているだけで、日刊スポーツが言うところの「最終的な判断を下す見込み」とやらの根拠についてもまったく書かれていない。
ハリルホジッチ監督本人も、9月1日の会見で「今回はチームが首位の中で批判されました。勝ち点で1位、得失点差も最も良い状況下で、オーストラリア戦の結果によっては私が去らないといけないと書いた方々に関しては、私は攻撃だと受け止めました」と、いわれのない攻撃だと感じていたことを明らかにしている。
そもそも、オーストラリア戦後に監督の首をすげ替えたとして、ほとんど準備期間がない状態で一発勝負の予選最終試合にどう臨むというのか。予選のスケジュールはオーストラリア戦が8月30日、サウジアラビアとの最終戦が9月5日だ。ただただハリルホジッチ監督への中傷に熱を上げ過ぎて、そんな細かい平仄(ひょうそく)を合わせる余裕がなかったとでもいうつもりだろうか。
(つづく)
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