2024年12月22日( 日 )

記録ラッシュが続く、ソフトバンク・サファテの数字で見る凄さ

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 首位独走を続ける、プロ野球ソフトバンク。快進撃を支えるチームの守護神デニス・サファテ投手が今シーズン、記録ラッシュを続けている。4月2日のロッテ戦で、横浜(現DeNA)と巨人で活躍したマーク・クルーン氏が持つ外国人投手最多記録を抜く178セーブを挙げ、7月5日のオリックス戦で通算200セーブを達成。9月5日のオリックス戦で05年岩瀬仁紀(中日)、07年藤川球児(阪神)が持つシーズン最多セーブ記録を更新する47セーブを挙げ、新記録を樹立した。

 同投手の日本プロ野球入りは、2011年に広島に入団したことからはじまる。最速159㎞の速球を武器に、クローザー(抑え)として57試合に登板。35セーブを挙げたが、翌12年は前年のシーズン中に股関節部の鼠経ヘルニアを発症・手術した影響もあり、チームの方針で主にセットアッパー(中継ぎ)として起用。47試合登板で9セーブを挙げたが、再契約とはならず、西武へ移籍。ここでもセットアッパーとして起用され、58試合に登板し、10セーブを記録。契約条件で折り合いがつかなかったことから14年にソフトバンクへ移籍。再びクローザーとして起用されるようになり、自己最多の64試合の登板で自己最多の37セーブを挙げた。翌15年は自己最多を更新する65試合に登板し、41セーブで自身初の最優秀救援投手賞を受賞。16年は馬原孝浩氏が07年に記録した球団記録(38セーブ)を上回り、リーグ新記録となる43セーブを挙げ、2年連続で同賞を受賞。今シーズンは日本記録を更新する47セーブで、2位の松井裕樹投手(30セーブ)を大きく引き離し、リーグでは92~94年に赤堀元之氏(近鉄)が記録して以来の、3年連続受賞も射程距離に入れている。

 年間セーブの新記録と並んで評価されている通算200セーブは、過去5人しか達成しておらず、外国人投手では初。同投手を含めた200セーブ以上を達成した選手を対象に、各通算記録(9月5日現在)を見てみると、まず、200セーブ達成までの試合数では、387試合で、佐々木主浩氏(370試合)に次いで史上2番目のスピード記録。通算の防御率は1.54で同投手がトップで1点台は同投手のみ。WHIP(Walks plus Hits per Inning Pitched:投球回あたり与四球・被安打数合計、1投球回あたり何人の走者を出したかを表す数値)は0.83で0点台は同投手のみ。奪三振率は11.86で佐々木氏(12.20)に次いで2位、被本塁打率は0.38で、こちらは岩瀬仁紀(0.36)に次いで2位となっている。分析すると、同投手が勝ちゲームで登板する9回の1イニングで、走者は1人以下、三振は1個以上、本塁打を打たれる確率は22試合に1本という低さ。いかにレベルの高い投手であるかがわかる。

 通算222セーブ(9月5日現在)の同投手が今後期待される記録は、通算250セーブと外国人投手初の名球会入り(250セーブ以上が入会資格)。来日わずか7年でこれだけの実績を挙げていることから、怪我などのアクシデントがない限り、来シーズン中には達成するとみられる。今年36歳の同投手がいつまで現役を続けるかはわからないが、年間40セーブ以上を40歳まで続ければ、岩瀬仁紀しか達成していない通算400セーブ超えも夢ではない。

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