【2017衆院選・福岡】復旧の足を引っ張る解散総選挙~被災地に満ちるため息
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28日に始まる予定の臨時国会冒頭で、衆議院が解散される見通しだ。気が早いネットユーザーたちの間ではすでに、「モリカケ解散」や「苦しまぎれ解散」といったネーミングが流通し始めている。
今回の解散は、安倍首相が森友学園や加計学園に関係する疑惑を追及されることから逃れるため、というのがもっぱらの見立てだ。これらの疑惑はすべて安倍首相の「お友達」こそがキーパーソンであり、当然、首相自身も厳しい質問にさらされることは目に見えていた。もっとも、そんな自分勝手な事情に振り回される国民はたまったものではない。特に復興の道半ばにある九州北部豪雨の被災地では、復旧スケジュールに影響が出ることが確実だ。安倍首相は被災地を視察した際、「我々も、復旧にしっかりと力を入れたい。どうぞお体に気をつけてください」(7月12日に大分県日田市の避難所で)などと語っていた。家や肉親を失った被災者の前で、そんな言葉を発したことさえすでに記憶にないのであろう。「軽い言葉、ここに極まれり」と言うよりほかはない。
流木で家屋が流されるなどの被害が相次ぎ、一時は630人が避難生活を送っていた東峰村。今でも総務課の5人が災害対策本部に張り付き、県の長期派遣職員6人とともに復旧作業にあたっている。主に現場作業にあたる短期派遣職員の数は、膨大すぎて把握すらできていない。
解散・総選挙となれば、総務課職員は選挙関連の事務作業にかかりきりになる。取材班が話を聞いた職員は「豪雨から2カ月以上経ったとはいえ、人手はまだまだ足りない。(総選挙は)正直言って、困ります」と声をひそめた。
復旧に力を入れるどころか、足を引っ張る一国の首相。これ自体が一場の悲喜劇ではあるが、本当の悲劇は、総選挙で自民党が圧勝するという予測が大勢を占めていること、なのかもしれない。
【総選挙取材班】
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