2024年11月20日( 水 )

社長!それ「引き抜き」かもしれませんよ!

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

 ある中小企業の経営者とテーブルを囲んだときの話である。以前より、人材不足を嘆いていた経営者であるが、この日はいつも以上に深刻そうな顔をしていた。

 たしかに仕事は多い。今が稼ぎ時と言っても過言ではない業界もある。取引上の悩みではないことは直感的にわかった。「社長、やはり人がいないんですか?」――そう尋ねると、思いもよらぬ答えが返ってきた。切実だが、事実なのだ。

 実は、同社のスタッフ全員に、ヘッドハンティング会社から連絡が入っていたようだ。一人や二人の話でではない。「大手企業で、今よりも待遇のいい仕事をしませんか」という、いわゆる「引き抜き」電話である。

 当然、経営者本人に掛けてくるようなことはない。電話は事務員が率先して取るため、経営者が最初に取ることはない。そのため長い間、そのような電話がかかってきていることすら、わからなかったようだ。ある日、社内作業メインのスタッフが、珍しく外部と電話していることに気付き、事情を尋ねてようやくわかったようだ。

 ただ、どうやってスタッフの個人名をヘッドハンティング会社が知り得たのか?どうやら、会社HPに掲載してある「スタッフ紹介」からのようだ。外部からの電話すべてを疑うわけにはいかないが、たまには、経営者自ら電話に出てみることをおすすめする。

【東城 洋平】

 

関連キーワード

関連記事