【2017衆院選・福岡4区】戦いは、始まる前にすでに終わっていた!?
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今回の衆院選で福岡4区は、自民前職の宮内秀樹氏(55)、維新前職の河野正美氏(56)、そして共産新人の新留清隆氏(62)の三つ巴の戦いとなった。これは、前回の衆院選(2014年12月)のときと同様の面子での戦いとなり、結果もまた前回を踏襲するように同じものとなった。ただ唯一違ったのは、今回は河野氏の比例復活がなかったことだ。
結果的に宮内氏の圧勝で終わった福岡4区だが、公示後に各陣営による選挙戦が繰り広げられる前の時点で、すでに勝敗は決していたように思う。それを象徴するのが、各陣営が構えた選挙事務所だ。
今回の宮内氏の選挙事務所は、今年5月に閉店した福津市の書店「金修堂」の跡に構えられた。元が書店ということもあって、余裕のある駐車場に広い屋内スペースを備え、多くの支持者が集まっても十分なキャパシティを持っていた。また、JR福間駅からもほど近く利便性もまずまずの場所で、周辺には飲食店をはじめとしたロードサイド店舗が立ち並ぶ、華やかな立地となっていた。
一方、河野氏の選挙事務所は、前回の衆院選時と同じ場所に構えられた。事務所の規模としては特段小さいわけではなく、駐車場のスペースはやや狭いものの、屋内はまずまずのキャパシティを持っている。ただし、立地があまり良くなかった。九州道・古賀ICに近く、そこそこの交通量がある道路の交差点に構えられた河野氏の事務所だが、辺りには田畑が広がり、夜ともなれば周辺は真っ暗。コンビニや数軒の飲食店の明かりが灯るのみで、宮内氏の選挙事務所と比べるとどこか寂しく、どうにも見劣りがしてしまう印象だった。
そして新留氏の選挙事務所はというと、日本共産党宗像粕屋地区委員会の事務所内に構えられた。“新人”とはいえ今回の衆院選で5度目の挑戦という、選挙に関してはいわばベテランの域に達している新留氏だが、個別に選挙事務所を構えていないのは、陣営の懐事情によるものなのか、それとも、そもそも当選の期待をそれほど寄せられていなかったのか……。
もちろん、選挙事務所の良し悪しが、選挙の結果を左右するわけでは決してない。しかし、こうして見てみると、選挙事務所にかける力の入れ方が、それぞれの得票数に結びついているように思えてならない。各陣営が選挙事務所をどこに構えるかを検討していたのは、まだ公示前の時点。戦いは、始まる前にすでに終わっていたということか――。
【総選挙取材班】
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