2024年12月26日( 木 )

第四銀行と北越銀行の経営統合延期を検証する(1)

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 新潟県に本店を置く第四銀行(新潟市)と北越銀行(長岡市)は、2017年4月5日経営統合で基本合意し、6月に公正取引委員会(以下公取委)に経営統合の審査を求める届け出書を提出した。

 基本合意の内容について
(1)2018年4月に第四銀行と北越銀行が共同持株会社「第四北越フィナンシャルグループ」を新設し、両行が子会社となりその傘下に入る。2年後の2020年春を目処に2行を合併し経営効率をはかる。

(2)持株会社の本店は長岡市とし、主な本社機能は新潟市に置く。会長に北越銀行の荒城哲頭取、社長には第四銀行の並木富士雄頭取が就く。

(3)出資比率などは両行で今後協議する。

◆両行合わせた総資産額は約8兆6,488億円(2017年9月末時点)。県内トップバンクの第四銀行と2番手の北越銀行はともに第一地銀。新潟県の人口減少が著しく経営環境が厳しくなっていることから、金融庁の後押しもあり経営統合することを決めたようだ。

 しかし両行は10月27日、公取委の企業結合審査が想定より時間を要しているとして、経営統合を2018年4月2日(予定)から同年10月1日(予定)に変更すると発表した。

 【表1】人口減少率順位表 (10年比)を見ていただきたい。5年ごとに行われる国勢調査に基づくものである。

この表から見えるもの

※クリックで拡大

・2015年の新潟県人口は、減少率では全国16位だが127,195人減少し、2,304,264人と推計されている。新潟県によると2017年9月1日現在の推計人口は2,267,005人となっており、国政調査2年後は37,259人減少していることになる。

・47都道府県のうち10年間で人口が増加しているのは、大阪府・福岡県・滋賀県・埼玉県・千葉県・愛知県・神奈川県・沖縄県・東京都」の9都府県で、38の道府県では人口が減少しているのが分かる。ただ「大阪府」は、2010年より人口が減少に転じている。少子化と超高齢化が進んでおり、道府県の人口減少は加速度を増すことになりそうだ。

 人口の減少に危機感を持ち地銀の経営統合を推進する金融庁に対し、シェアが70%以上となると慎重に審査する公取委。公取委は第四銀行と北越銀行の経営統合の申請に対し、7月の1次審査でより詳細な審査が必要と判断。2次審査では、両行の経営統合が新潟県内の競争環境に与える影響について第三者から意見を募集したり、追加資料の提出を求めたりするなど態度を硬化。この経営統合については、立場の違う官対官が再び登場する複雑な様相を呈することになったのだ。

(つづく)
【(株)データ・マックス顧問 浜崎裕治】

 

 
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