2024年12月27日( 金 )

福岡市役所の取材対応に疑問

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

「旧大名小学校跡地活用の事業者公募に関するリリースの内容確認をしたいのですが…」
「メールでお願いします」
「内容の確認くらいですよ?こちらの理解に誤りがないか確認するだけです。電話ですぐにできますが」
「メールでお願いするようになっているのです」
「分かりました。ではメールでお送りします。よろしくお願いします」

福岡市役所

 通常、記者は、ニュースが発表され、それを掲載する場合には内容を発信主に確認する。複雑な内容やいくつもの質問をする場合に文書でやり取りするケースもあるが、電話で確認をとる場合がほとんどだ。上記の会話は福岡市住宅都市局とやり取りした際の担当者との会話である。大名小学校の跡地活用の事業者を公募する、10月31日に要綱が発表され、12月12日に受付が終了する、という記事だ。リリースされた内容に関して理解に誤りがないかという確認のための電話取材だった。11月1日午後2時ごろに問い合わせの電話をし、その直後にメールでの確認を行った。少しでも早く伝えたかったのだが、返事が届いたのが翌日だったため、2日の記事掲載となった(実際の記事はコチラ)。これがおおよそのいきさつである。

 このやりとりで違和感を覚えた。電話を受けた担当課長は質問の内容なども聞かずにとにかく「メールで」の一本やりなのだ。仕方がないのでメールで質問し、回答を得たがやはり違和感が拭えなかった。電話1本で終わることを、こんなに手間をかける必要があるのか、どこのメディアに対してもこんなに手間のかかることをしているのか、という疑問がわいた。そこで改めて担当者に質問を投げることにしたのである。

 質問内容は
 1、どのメディアからの質問もメールで受け付けるのか
 2、1の回答について、それは福岡市役所全体で決められていることなのか
 の2点。質問はもちろんメールで。これが11月2日のことである。

 回答が届いたのが11月9日。1週間かかっている。確認作業に時間がかかったのだろう。内容は以下の通りだった。

 「住宅都市局では旧大名小学校跡地のような重要な案件について、
 マスコミなどからの取材に対しては、誤解の生じないよう対応させていただくため、
 可能な限りメールなどで取材内容を確認することとしております。」(原文ママ)

 少なからず失望した。1の質問にも2の質問にも答えていないからである。そこで9日、再度質問をメールで送った。内容は「このリリースの内容に関して、どのメディアともメールでやり取りをしたという理解でいいのか」というものだ。メールで質問を送った旨を担当者に伝え、回答を待った。しかし1週間待っても回答は来ない。担当者に電話で状況確認を行った。

 「上に確認をとっているところです。たしかに1週間以上が経っていますね。金曜日(17日)に回答をお送りします」

 ところが、17日に回答のメールは届かなかった。携帯電話の番号も知らせているが、電話連絡も来ない。20日(月曜日)も待ったが、なんの連絡も来なかったのである。21日、担当者に電話で状況を聞いた。すると「上に確認をとっているところです。近日中にお返事します」との返答だった。返答が得られないという現状を記事にする可能性があることも伝え、メールでの返信を待つことにした。

 22日、再度電話で担当者の上司に確認をとったが、返事は「急いでお返事します。いつとは言えません」というものだった。どのメディアともメールでやり取りしたのならば、そう答えればいいだけのことだ。まさかそんなことは決してないとは思うが、福岡市役所はメディアによって対応を変えているのだろうかと疑ってしまいそうになる。近日中に届くはずの回答にはどのような内容が記されているのだろうか。自分の考えが邪推であることを切に願う。

【特別取材班】

 

関連キーワード

関連記事