現在、日本全体で地域格差が広がり、一部の都市圏が拡大を続けていく一方で、多くの地方都市では衰退が進んでいる現状がある。そうした地方都市にとって、今後何が問題視され、いかなる再生が求められるのか。そしてそのなかで、公共空間にできることは何で、そのためにはどのようなデザインとマネジメントが求められるのか――。福岡大学工学部社会デザイン工学科・景観まちづくり研究室の柴田久教授が11月25日に上梓した「地方都市を公共空間から再生する」が、そうした答えを導き出すための一助となるかもしれない。
同書は、衰退する地方都市を公共空間から再生するための、具体的な方法や考え方についてまとめたもの。とくに地方都市が日常の「にぎわい」を取り戻すことの重要性を示すとともに、そうしたにぎわいを生み出す公共空間のデザインとマネジメントの要点を、具体的な事例を交えて詳述している。また、実践的な知見をできるかぎり「わかりやすく」「深く」伝えることを念頭に置き、筆者自らが経験した現場での成功例と失敗例を紹介。地方都市の再生に奔走する現場の実務者のみならず、地方都市や公共空間に興味をもつ学生にとっても有益な一冊となっている。
【坂田 憲治】
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