嘉麻市産廃拡張問題、係争中の産廃業者に異変!
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謎の代表交代
嘉麻市の熊ヶ畑地域で産業廃棄物の安定型最終処分場を運営する(有)エコジャパンの代表が登記上6月30日付で交代していることがわかった。新代表に就任したのは、東京都港区に本社を置く秀真産業協同組合の森英世代表理事。森氏は、10月1日付で、エコジャパンの母体である(株)大門興業の代表にも就任している。
エコジャパンが運営する安定型最終処分場は、1990年に福岡県の許可を受けて操業を開始。埋め立て面積約1万m2、埋め立て容量約15万m3。有害物質や有機物などが付着しておらず、雨水にさらされてもほとんど変化しない(1)廃プラスチック類、(2)ゴム、(3)金属、(4)ガラス・コンクリート・陶磁器、(5)がれき類のいわゆる「安定5品目」しか埋め立てができない。
01年、この処分場で火災が発生した。周辺住民の不安を煽り、14年7月に県が与えた拡張許可(面積約6倍、容量約10倍に拡張)に対する反対運動に発展。住民側は、福岡県を相手取り、拡張許可などの取り消しを求める行政訴訟を福岡地裁に提訴。また、今年2月には、エコジャパンに対して事業差し止めを求める訴訟を福岡地裁飯塚支部に起こした。2つの裁判はどちらも係争中であるが、そのようななかでの代表交代、しかも大門氏の一族経営であった2社に、地元では知る人のいない謎の人物である森氏が就任したことで、住民の間では困惑の声が広がっている。
さらに、想定外の事態に発展する可能性まで浮上してきた。森氏が代表を務める(協)は、ベトナム人技能実習生の受け入れや職業紹介などを事業としており、産廃処理業の実績は不明。しかし、ホームページ上には「環境事業」の項目があり、2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックの会場設営工事や、インフラ整備にともなう建替え工事、耐震補強工事などで発生する産業廃棄物を東京湾バースから海上輸送で関東県外の産廃処分場に運ぶ事業計画が書かれている。この計画が、実行に移されれば、熊ヶ畑の最終処分場は、首都圏の再開発バブルで大量に生じる産廃の受け皿になる。
なお、NetIB-NEWSの取材に対し、秀真産業は「担当者不在」として熊ヶ畑の最終処分場に関する質問に応じていない。
【山下 康太】
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