九州地銀の業界再編を占う(3)
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今年も残りわずかとなったが、九州地銀の業界再編の動きのなかで大きな話題となったのは、やはりふくおかFGと十八銀行の経営統合が無期延期になったことだろう。実質白紙となった要因について時系列を追って振り返って見ることにしたい。
<2017年7月25日>
◆ふくおかFGは、10月に再延期していた十八銀行との経営統合を期限を設けず延期すると発表した。ふくおかFGの柴戸隆成社長は福岡市内で会見し、「長引くことで取引先に不利益がないようにしたい」と述べ、引き続き統合の実現を目指す姿勢を示したが、実質的には白紙となった。【詳細は(3)参照】
2.第四銀行と北越銀行の経営統合も延期へ
◆新潟県に本店を置く第四銀行(新潟市)と北越銀行(長岡市)は、17年4月5日経営統合で基本合意し、6月に公取委に経営統合の審査を求める届け出書を提出した。
基本合意の内容について
(1)18年4月に第四銀行と北越銀行が共同持株会社「第四北越フィナンシャルグループ」を新設し、両行が子会社となりその傘下に入る。2年後の20年春をメドに2行を合併し経営効率をはかる。
(2)持株会社の本店は長岡市とし、主な本社機能は新潟市に置く。会長に北越銀行の荒城哲頭取、社長には第四銀行の並木富士雄頭取が就く。
(3)出資比率などは両行で今後協議する。◆両行合わせた総資産額は約8兆6,488億円(2017年9月末時点)。県内トップバンクの第四銀行と2番手の北越銀行はともに第一地銀。新潟県も人口減少が著しく、経営環境が厳しくなっていることから経営統合することを決めたようだ。
しかし両行は10月27日、公取委の企業結合審査が想定より時間を要しているとして、経営統合を2018年4月2日(予定)から同年10月1日(予定)に変更すると発表したが、ふくおかFGと十八銀行の経営統合が無期延期(白紙化)となった同じ道を歩むことになりそうだ。【表3】【表4】を見ていただきたい。
※クリックで拡大
<この表から見えるもの>
◆新潟県には地銀が3行ある。長崎県と同じケース。ただ長崎銀行と比べて大光銀行のボリュームは大きいが、第四銀行と北越銀行が合併すれば、預貸金および収益ともそのシェアは80%を超えている。今までどのシェアが何%なら良いのか手探り状態だったが、今回公取委は、統合後の新潟県内での貸出金シェアが5割を超えることが独禁法に触れると基準を示したことは、今後の金融再編の目安となる。一歩前進といえるのかもしれない。(つづく)
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