沖縄をめぐる虚報で、産経新聞が醜態~「HUNTER」などの追及を受け
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産経新聞2月1日付朝刊1面に掲載された、「おわびと削除」記事
産経新聞が記事内容の誤りを全面的に認め、謝罪に追い込まれた。今日の朝刊に掲載されたもの。
問題となったのは、昨年12月1日に沖縄県内で起きた普天間基地所属の米軍車両が絡む事故に関する記事。産経新聞は同12月12日付朝刊、および同9日配信のネットサイト「産経ニュース」で、事故にあった米軍曹長が、「横転した車両から日本人男性を救助した後、後続車両にはねられ重体に陥った」と報じていた。同記事ではさらに、沖縄の地元紙である『琉球新報』『沖縄タイムス』の2紙が「在沖米軍兵士が日本人を救出したこと」を報じていないと批判し、「『報道しない自由』を盾にこれからも無視を続けるようなら、メディア、報道機関を名乗る資格はない。日本人として恥だ」と批判していた。
しかし、今日の紙面で産経新聞が認めたように、米軍曹長が日本人男性を直接救助した事実はなく、沖縄地元紙を強く批判した根拠そのものが誤りだった。そもそも産経新聞は同事故について沖縄県警に取材しておらず、根拠薄弱な「思いこみ」で記事を作成した可能性も否定できない。
産経新聞の批判を受けた琉球新報は1月30日、米海兵隊が「米軍曹長が日本人を救助したこと」について否定していることを改めて報道。沖縄タイムス紙も今月1日「産経確認せず報道か」として産経新聞の報道内容について検証していた。
福岡市のネットニュース「HUNTER」は、産経新聞の虚報疑惑について31日から7日にかけて3本の検証記事を掲載。「産経新聞 沖縄メディア攻撃で虚報の可能性 那覇支局長との一問一答」(31日)では、産経新聞那覇支局長との一問一答を掲載した。一問一答では、事故後の取材内容についても質問をぶつけている。
―だから事実確認はされたんですか、ということですよ。
産経:いや、海兵隊には取材しました。
―県警にはどうなんですか。
産経:してません。ていうか、それはいえません。
(沖縄県警に取材していない事実を引き出した部分)
また、7日の記事(「産経・沖縄メディア攻撃の『虚報』発覚後の顛末」)では、那覇支局長と産経新聞広報部との見解に違いがあることを報じており、産経内部でも虚報記事をめぐって見解の相違があることを明らかにした。
沖縄タイムスは今日、データ・マックスの取材に対し、産経新聞上層部から謝罪を受けたことを明らかにした。同編集局によると、今日10時ごろ編集局長あてに電話があり、記事内容の誤りを認めたうえで「いきすぎた表現があった」と謝罪したという。沖縄タイムスでは産経新聞の謝罪を受けて、明日朝刊で関連記事を掲載する予定だ。
琉球新報には、今日午前中に産経新聞から謝罪の電話があり編集局次長が対応した。琉球新報の担当者は、「産経新聞の担当者が直接来社して謝罪を行うなどの提案があった」と話している。関連キーワード
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