九州大学は20日、はしか(麻疹)のウイルスが、体内で感染するメカニズムを世界で初めて解明したことを公表した。米国の有力科学誌「PNAS(Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America:米国科学アカデミー紀要)」で発表される。
同大学院医学研究院の橋口隆生准教授(ウイルス学)らの研究グループによるもの。体内に侵入する際、ウイルスの表面の膜にある「Fたんぱく質」を分子レベルまで掘り下げて構造を解明、ヒト細胞膜と融合しながら侵入し、増殖することがわかり、細胞膜の融合を抑える2種類の阻害剤(化合物、ペプチド)を加えることで、Fたんぱく質が特定の部位に結合し、感染を防ぐことを突き止めた。
はしかは感染力の非常に強いウイルスで、根本的な治療薬はない橋口准教授は「構造や部位が明らかになったことで、抗ウイルス治療薬の開発につながる」といい、「今後、国内の学会などで発表する予定」としている。
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