都市福岡の明暗3編
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1、天神集中業務用案件だけではない
天神ビッグバンで天神集中が加速化する。大名小跡地開発も過密化を後押しすることであろう。天神地区は東京・大阪などの都心部に並ぶ地位を確保するかもしれない。
ここで忘れてはならないのが今回の開発の特色が職住接近型であることだ。このゾーンでは高級マンションが売れまくっている。だから中央区の人口の伸びが著しい。平尾小学校は生徒数が急増して増築工事に追われている。この子どもの人口増加の読み違いは福岡市の目測誤りだ。怠慢の批判は免れない。
2、不動産高騰はあるものの人口減が顕著
平尾小学校から南西4キロの距離にあるのが南区の若久地区である。大通りから奥まった場所にある住宅街でも坪40万円に土地が値上りしているという。平成初頭のピーク時期に匹敵するようになった。
ところが住宅街にはまったく活気がない。老人たちだけ(独り暮らし含む)の世帯が大半である。地元の工務店は住宅を手放そうとしている情報をいち早くつかんで購入活動に専念している。解体して新築建売を行うのである。ある業者の社長は嘆く。「福岡は元気な都市と騒がれているが、天神から僅か5キロしか離れていない若久地区もあと10年もしたら人口減が顕著になるだろう」
3、都心から12キロ外れた西区の野方地区で顕著な高齢化
40年前この地区は福岡でも有数の人口増地域だった。1.5キロ間隔で小学校が4校新設されたこともある。時を経て、この地区では子どもをあまり見かけることがなくなった。4、5クラスあった学校は2クラスに減り、統合話も囁かれている。子どもの大半が巣立っていったのだ。そしてたびたび耳にするのは救急車の音である。
最近、隣近所に救急車が慌ただしく走り込んでくる。まず斜め前のご主人が病院へ搬送され、故人となった。90歳である。隣の方も救急車で運ばれ緊急入院した。一命は取り留めたものの、再起不能状態だという。
この野方地区周辺の戸建住宅の人口は半減するようだ。そして大半が独り暮らしになる見通し。「活気ある福岡」と騒がれているが、市内の大方の区域では老人消滅という暗部が広がっている。
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