少数精鋭だからこそ、学べる仕事は多い、チャンスがあれば、海外進出も視野に(後)
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(株)R.E.D建築設計事務所
バランス感覚を大事に、機会があれば海外挑戦も視野に
設計事務所として重視するのは、バランス感覚。1人よがりなデザインや構造にしない。施主の思い描くデザインを汲み取り、自分の意思も設計に盛り込みつつ、やはり大事にしたいのはコスト面。注文をもらう立場にあるので、予算を大きく超えるものは提案できない。コストとデザインの双方をバランス良く配慮し、妥協点を探していくことが仕事のうえで重要だと考えている。赤樫代表が所属するライオンズクラブでは、次期会長候補。社外での活動にも積極的に参加している。そんな社外活動で知り合ったのが、世界的な建築家である迫慶一郎氏だ。赤樫氏が尊敬している建築家の1人だ。迫氏のフットワークの軽さ、巧みな折衝とデザイン性。自分の要望を反映させるために、施主を納得させる熱量は大変勉強になるという。
「若いスタッフが多いので、コミュニケーションを取りやすい。スピード感をもって対応してくれる」―取引先の評価だ。難しい案件でも、まず「NO」と言わない。ただ最近は案件が立て込むことも多く、断らざるを得ないケースも出てきているのは事実。葛藤のなかで、前に進んでいくしかない。リピーターの顧客も増えてきた。営業は1人もいないため、紹介やリピートがほとんど。スタッフを増やして、もっと案件に応えられるようにしたいと思いつつ、目が行き届く今の規模を維持するほうがいいのか、難しいところだ。
ある賃貸マンションを手がけたときのオーナーからオファーをもらった。中国でマンションを建てたいので、設計してもらえないかというもの。中国で建築事務所として活動するには、現地に法人を開設する必要もある。当時、抱えていた案件も多く、海外進出は難しいと判断し、やむなく断りを入れた。「今となっては、もったいなかったかも。東アジア圏を事業のステージと考えると、福岡は地の利がある。今後、10年20年先を考えたときに、東京へ出るのか、アジアへ出るのか、成長率からみても明らかにチャンスが多いのは、アジアだ。ハードルになるのは、文化の違いだけだ」――。そう語る赤樫代表の素振りから、現在は海外進出を視野に入れている様子がうかがええる。中小企業、とくに設計事務所の海外進出はあまり聞かない。それでも海外に惹かれるのは、迫氏の世界的な活動ぶり、そして赤樫氏本人の少年時代の海外体験が、異文化へのハードルを低くしているのだろう。「チャンスがあれば、次は応えられるような体制をつくりたい」―そう言いたげな表情が印象的だった。厄介な訳あり物件でも、まずは断らない。新築物件を手がけるのはもちろんだが、増改築での難あり物件での、汗かき仕事もいとわない。「厄介な仕事ほど、将来の蓄積になる」と語る赤樫代表。その言葉には、「先生」と呼ばれるより、親しみやすい建築事務所でありたいという気持ちがにじみ出ていた。
(了)
<COMPANY INFORMATION>
代 表:赤樫 幸治
所在地:福岡市早良区西新4-6-15 ル・リアン西新102
設 立:2009年7月
TEL:092-852-1730
URL:http://www.redoak.co.jp<プロフィール>
赤樫 幸治(あかがし・こうじ)
1993年、立教英国学院(イギリス)高等部卒業。97年、日本大学生産工学部建築工学科卒業後、(株)穴吹工務店設計部入社。2009年、(株)R.E.D建築設計事務所設立。法人名
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