【続報】はしか新たに2人発症 ~ 依然900人以上を経過観察
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福岡県内で感染が拡大しているはしか(麻しん)について21日夜、新たに2人の発症が確認された。今年4月以降、県内で確認されたはしか患者は16例目(22日午前9時半時点)。
新たに発症が確認されたのは、福岡市東区の20代男性と、同市博多区の生後6カ月の男児。このうち20代男性は、4月末に鹿児島県薩摩川内市を訪問中に症状が発生し、5月上旬には症状が回復して帰福したが、本人がはしかの罹患を疑って県内の医療機関を受診し検査したところ、はしかに罹患していたことが確定したもの。なお現在は治癒しており人に移す可能性はないことに加え、発症時に鹿児島にいたため、福岡県内に当該患者に係る健康観察の対象者もいないとしている。また、6カ月男児は、5月11日に公表された博多区の30代男性に係る健康観察の対象者で、人に移す可能性のある期間は自宅にいたことから、当該患者に係る新たな健康観察の対象者はいない。
はしかは、感染後に10~12日ほどの潜伏期間を経て発熱やせきなどの風邪に似た症状が現れ、38度ほどの発熱が数日続くほか、赤いぶつぶつの発疹が全身に出る。とくに妊婦は重症化しやすく、流産や早産の原因になることもあるという。また、発症者の約3割が肺炎や中耳炎、ときには脳炎などの合併症を併発する可能性があり、ひどい場合は死に至ることも。
発症後の効果的な治療法はなく、対症療法などにより回復を待つしかないという。感染力はインフルエンザなどと比べても非常に強く、空気感染や飛沫感染、接触感染などで人から人へ伝播。免疫をもたない人が感染すると、ほぼ100%発症に至るとされる。予防にマスクや手洗いなどは効果がなく、ワクチン接種が唯一の有効策とされ、通常は2回の予防接種を受けることで、ほとんどの人が免疫を獲得できるとされている。
だが、接種直後に罹患した場合は十分な効果が発揮されないことや、接種後から長期間が経過すると免疫力が低下していくケースも起こり得る。また人によっては、2回の予防接種後も十分な免疫力を獲得できないこともあるという。
ただし、予防接種を受けることにより、仮に発症しても、通常の発症時に比べて症状が軽減される可能性があることに加え、自分が感染しないためだけでなく、周りの人に感染を拡げないためにも有効とされている。県では、粕屋保健福祉事務所、筑紫保健福祉環境事務所、福岡市東保健所および博多保健所が連携し、患者や家族、医療機関に対しての健康調査や疫学調査を実施するとともに、二次感染予防の指導を実施。また、感染者と同じ医療機関利用した人など900人以上に対して、引き続き経過観察を行っている。
県や市は、感染が疑われる場合には医療機関に事前連絡したうえで速やかに受診することと、その場合には公共交通機関の利用を避けるよう呼びかけている。
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【坂田 憲治】
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