2024年11月23日( 土 )

【続報】はしか新たに1人発症 ~ 「今が重要な時期」

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 福岡県内で感染が拡大しているはしか(麻しん)について22日、新たに1人の発症が確認された。今年4月以降、県内で確認されたはしか患者は17例目(23日午前9時半時点)。

 新たに発症が確認されたのは、西区の生後7カ月の男児。県が行っていた健康観察の対象者ではなく、感染経路については現在調査中とされる。

 県では、感染者と同じ医療機関利用した人など900人以上に対して、引き続き健康観察を行っている。通常、はしかの潜伏期間は10~12日とされ、ガイドライン上の観察期間は14日となっているが、今回の健康観察期間は3週間(21日)を設定し、慎重な体制を敷いている。

 市保健福祉局・保健予防課の山本課長は、「これまでは、5月初めに感染が確認された春日市の男性患者との医療機関での接触が疑われる方などが、健康観察の対象者となったり、そのなかから新たな発症者が出たりしていましたが、そろそろ時期的に、さらなる二次感染、三次感染の事例が出てきてもおかしくありません。そのため、これから感染がさらに広がっていくか、それとも収束に向かっていくか、今が重要な時期だといえます。今後も引き続き、県と市とで情報確認を含めた連携を密にしていくほか、医療機関への指導、市民や県民の皆さまへの注意喚起にあたっていきます」とコメントする。

 県や市は、感染が疑われる場合には医療機関に事前連絡したうえで速やかに受診することと、その場合には公共交通機関の利用を避けるよう呼びかけている。

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【坂田 憲治】

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はしか(麻しん)

 感染後に10~12日ほどの潜伏期間を経て、発熱やせきなどの風邪に似た症状が現れ、38度ほどの発熱が数日続くほか、赤いぶつぶつの発疹が全身に出る。とくに妊婦は重症化しやすく、流産や早産の原因になることもあるという。また、発症者の約3割が肺炎や中耳炎、ときには脳炎などの合併症を併発する可能性があり、ひどい場合は死に至ることも。
 発症後の効果的な治療法はなく、対症療法などにより回復を待つしかないという。感染力はインフルエンザなどと比べても非常に強く、空気感染や飛沫感染、接触感染などで人から人へ伝播。免疫をもたない人が感染すると、ほぼ100%発症に至るとされる。予防にマスクや手洗いなどは効果がなく、ワクチン接種が唯一の有効策とされ、通常は2回の予防接種を受けることで、ほとんどの人が免疫を獲得できるとされている。
 だが、接種直後に罹患した場合は十分な効果が発揮されないことや、接種後から長期間が経過すると免疫力が低下していくケースも起こり得る。また人によっては、2回の予防接種後も十分な免疫力を獲得できないこともあるという。
 ただし、予防接種を受けることで、仮に発症しても通常の発症時に比べて症状が軽減される可能性があることに加え、自分が感染しないためだけでなく、周りの人に感染を拡げないためにも有効とされている。


 

 

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