2024年11月24日( 日 )

個性を伸ばし、良質な空間づくりに生かす(後)

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クレアプランニング(株)

空間プロデュースで福岡の街を盛り上げる 

 近年、同社が手がけた実績をピックアップして紹介していきたい。まず、「ワークシェア」と「マルチロケーション」をキーワードに、単なる空間のシェアではなくコミュニティの構築を目指す、西日本最大級(約400坪)のプロジェクト創生型シェアオフィス&コワーキングスペース『The Company』(福岡市博多区)とその横に建てられた1階部分にバーラウンジ、2階にはコミュニティスペースを併設したホステル『THE LIFE HOSTEL & BAR LOUNGE』(福岡市博多区)。これは中田社長とともに「福岡の街を盛り上げたい」という想いをもったメンバーがそれぞれの意見を出し合い、ようやくカタチになった1つの例だ。

 組織や就業への価値観が多様化するなかで、こういった取り組みは「仕事を通じたコミュニティのための場所」という位置づけで新たな働き方を創出する一因となっている。

 そのほかにも、韓国で約500店舗を展開する大人気かき氷カフェ『ソルビン』(福岡市中央区)、重要文化財である昇開橋にちなんでコンテナを利用した観光案内所とインテリア産業情報の発信拠点、カフェを併設した『大川TERRAZZA(テラッツァ)』(福岡県大川市)、都会とは思えないボリュームの植栽があり、森のなかのようなオフィスのデザインが特徴的な『わんぱくオフィス』(東京都渋谷区)、旅館業法施工条例改正以降、福岡市では初となる、同一フロア内で客室と住居が共存するホテル&レジデンス『montan HAKATA』(福岡市博多区)といった多種多様な目的に応じた空間づくりを行っている。

チャレンジしやすい職場づくりで個々の個性を伸ばす

 センスが光る空間づくりを数多く手がけ、大手企業からも注目を集める同社だが、その強さの秘訣は何なのだろうか。中田社長は次のように語る。

 「センスというのはスポーツなどと同じで『慣れる』ことで磨かれます。新人を育成する場合はとにかくできるようになるまで練習させ、経験を積ませることが大切です。失敗のなかから得るものは大きいので、小さな失敗は多く経験させたいと考えています。弊社の場合、たとえ失敗したとしてもチーム一丸となってフォローに回ってくれるので、安心して学ぶことができます。経営者の立場からしても臨機応変に対応してくれる職人たちはすごく頼りになりますね。これも会長の今までの土壌があってこそだと思います」。

 中小企業で多く見られる失敗は、若手にすべてを任せて責任を取らせるか、判断させずに業務に専念させるかのどちらかだ。しかしすべてを任せると失敗した時のリスクは大きい。また、業務だけにした場合は、自ら判断できない指示待ち人間になってしまい育たない。しかし同社には多少の失敗を恐れず、積極的にチャレンジできる環境が整っている。

 「方針としては売上高を上げていくよりも利益率を高くして、その分、新しいことへのチャレンジに投資していきたいと考えています。単純に売上高を伸ばして会社を成長させていくよりは、職人たちの自由度を上げて個性を伸ばしていくことに重きを置いています」と中田社長がいうように、個々の個性を伸ばすことで、同社にしかないできない空間づくりが生まれている。そしてそれこそが同社の魅力といえるだろう。

(了)

<COMPANY INFORMATION>
代 表:中田 泰平
所在地:福岡市中央区天神4-7-11 クレアビル
設 立:1981年12月
資本金:5,000万円
TEL:092-724-1115
URL:http://www.crea-p.co.jp

<プロフィール>
中田 泰平(なかた・たいへい)
 1975年6月生まれ。学卒後、楽器店勤務を経てクレアプランニング(株)に入社。2011年6月に同社取締役社長に就任。2代目として同社を牽引するほか、地元・博多を盛り上げる活動など、社外においても精力的に活躍している。

 
(前)

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