2024年11月05日( 火 )

産廃処分場の乗っ取り事件 答えぬ2人の『新』株主

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 福岡市博多区の金隈産廃処分場の経営をめぐり、一部の役員が特定の人物を排除するため、役員の辞任届や株主総会議事録などを偽造、提出していたことが判明した。被害者となったのは、同処分場の関係会社「(株)和幸商会」と「(株)クリーン金隈」の役員を兼ね、両社の株式を100%保有していると主張する吉岡直之氏。吉岡氏は両社の役員を辞任させられたうえに、承認しない増資を実行されたことで、多大な損害を被ったと主張している。

 事件解明のために、吉岡氏は代理人を通じ和幸商会の新株を引き受けた2名に対し、引き受けの経緯などを尋ねたが、疑惑の新株主は一切の回答を拒否していることがわかった。事情を知りながら、不正な増資を引き受けたのは、「(株)大」(本社:熊本県八代市)の永田智彦代表と「(株)クレイヴ」(本社:山口市)の竹内俊一代表。

 偽造された和幸商会の取締役議事録によると、2018年2月1日に第三者割当により、8万4000株の株式発行を株主総会で決議、翌2日に永田、竹内両氏に割り当てることを取締役会で決議、同7日に効力が発生したことになっている。しかし、既存株主である吉岡氏には何ら相談、通知がなく行われており、株式発行の無効を求めて提訴を予定しているという。

 6月末、吉岡氏は弁護士を通じて、永田、竹内両氏に「照会書」を送付。増資の事実関係とその経緯について、尋ねたものだが、回答期限を過ぎた現在も両者からの返答はないという。正式な手続きを経ているなら回答できるはずだが、それができないということは一連の乗っ取りを共謀したと判断せざるを得ないだろう。なお、吉岡氏は2人の行為が「特別背任罪の幇助」に該当すると主張し、7月5日に博多警察署に告訴状を提出している。

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【東城 洋平】

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