「辺野古に基地を造らせない」県民総意が最重要
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NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は、沖縄県知事選挙の意義の大きさについて訴えた8月9日付の記事を紹介する。
沖縄県の翁長雄志知事が逝去された。謹んで哀悼の意を表したい。
この結果、沖縄県知事選が9月にも実施されることになる。
「辺野古に基地を造らせない」ことを公約に掲げて沖縄県知事に選出された翁長知事であったが、現実には、辺野古米軍基地建設が着々と進行してきた。
8月17日の埋め立てのための土砂投入方針まで示され、ぎりぎりの段階で埋め立て承認の撤回の方針が示されて、聴聞が行われる寸前のタイミングで翁長氏が逝去された。2014年11月の県知事選で、沖縄県民は「辺野古に基地を造らせない」との思いを託して翁長氏を新知事に選出した。この選挙結果こそ、埋め立て承認を撤回する正当な事由であった。
現に翁長氏は、沖縄知事選の結果そのものが埋め立て承認撤回の根拠になり得ることを繰り返し言及してきたのである。
「撤回は、法的な瑕疵がなくても、その後の新たな事象で撤回するということですが、知事の埋め立て承認に対して、県民がノーという意思を強く示すことが、新たな事象になると思います」
(2014年10月21日政策発表記者会見)「法的瑕疵がない場合も、私が勝利したならば承認撤回の条件になる」
(知事選直前のインタビュー=2014年11月12日付琉球新報)「知事選で示された民意は埋め立て承認を撤回する事由になると思う」
(当選後初の議会答弁=2014年12月17日)「知事選で示された民意」によって埋め立て承認を撤回することができることを、翁長氏が何度も明言してきた。しかし、この「公益撤回」は行われずに、現在に至っている。
本年7月に翁長知事は、埋め立て承認撤回の方針を示したが、これは上記の「公益撤回」ではなく、「要件撤回」であった。このことを、『アリの一言』ブログ主宰者が詳細に記述されている。
同ブログから「公益撤回」と「要件撤回」の違いについての記述を転載させていただくと、
「公益撤回」が「新基地建設自体が平和を望む県民・市民の意思に反している、民意に反して(公約違反)埋め立てを承認したこと自体が誤りだったとする、地方・住民自治に立った“政治的撤回”」であるのに対し、「要件撤回」は「埋め立て承認時の約束事を守らなかったことを理由とするいわば“事務的・行政的撤回”」ということになる。翁長知事は公益撤回できるとしながら公益撤回をせず、本年7月に要件撤回を行う方針を示したのである。
現時点で何よりも重要なことは、9月に実施される知事選に向けて、「辺野古に基地を造らせない」ことを公約に明記する新しい知事を誕生させることである。2014年11月知事選で沖縄県民が託した思いは、まさにこの点にあった。
自公の安倍内閣与党勢力はすでに知事選候補者を確定している。
これに対して、「辺野古に基地を造らせない」方針を掲げてきた勢力は、直ちに知事選立候補者の擁立を行わなければならない。米朝首脳会談が実施され、東アジアをめぐる国際情勢も大きく変化しつつある。沖縄県にだけ過大な負担を押しつけてきた日本の米軍基地政策を抜本的に見直すべきことは当然である。
「弔い選挙」になる沖縄県知事選で、沖縄県の主権者は改めて「辺野古米軍基地NO」の総意を明示する必要がある。※続きは8月9日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」第2108号「翁長知事急逝に伴う『弔い選挙』の重要性」で。
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