【『北方ジャーナル』記者の被災地ルポ(1)】夜が明けて、それぞれの1日
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地震が起きてから気になっていたのは、札幌市北区のNPOベトサダだった。ホームレスや困窮者の支援としてシェルター的な活動をやっているNPOで、地震が起きた際は10人の利用者が寝起きしていた。
施設長の山崎貴志さんによると、地震が起きた時に1人が大けがをし、窓から脱出しようとした28歳の男性利用者が隣のブロック塀にお腹をぶつけてろっ骨付近を強くぶつけたという。病院に運んでも、電気が通っていないためにレントゲン撮影ができない。骨折かどうかは確認できていないが、多分折れているだろう。
あとは施設内の家電が全損したという。地震のあった夜、女性スタッフがたまたま「フードパーク」というボランティア団体から大量のパンをもらっていたため、サンドイッチを50個ぐらい作って6日昼に利用者に配った。
6日夜からの食料を確保できていないため、7日以降は避難所を利用する可能性もあるという。2升炊の釜が3つあるが、それも電気がないと動かせない。これまでほぼ毎日のように警察や役所からホームレスや(刑務所などの)出所者の受入要請があるが、現状では難しいだろう。
ベトサダを出て外を歩いていると、居酒屋を経営している男性に会った。地震があった日の午前1時頃に仕事が終わって帰宅したところで被害に遭ったが、家の被害は大したことはなく、幸いお店の酒瓶なども割れていなかったという。電気が通っていないのでお店の営業は難しいけれど、地域住民のことを考えてお店の材料を集めて揚げ物か何かを作り、店頭で売るなり配るなりしたいとのこと。
北海道暮らしの長いその男性でも「今回のような揺れは初めてだった」と驚いていた。電池を買いに100円ショップに行ったが手に入らなかったため、「コンビニをまわって探します」と話していた。おそらく2、3日間はお店を再開できないだろう。食品衛生協会の保険には入っているが、地震による補償があるかはわからないという。
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