2024年12月25日( 水 )

大豆由来機能性食品のリーディングカンパニー(前)

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ニチモウバイオティックス(株)

 大豆由来の機能性原料サプライヤーのリーディングカンパニーとして知られる同社。米国・ハーバード大学や京都大学と共同研究を行い、たしかな機能性と安全性について学会発表が行われている。最近では6月に開催された日本透析医学会 学術集会・総会で、同社が製造・供給する麹菌発酵大豆培養物の有効性について発表されており、健康食品業界で高い評価を得ている。

アグリコン型イソフラボン『AglyMax』幅広い機能性を確認

▲アグリコン型イソフラボン
 『AglyMax』

 同社は、水産事業のニチモウ(株)が、養殖事業での魚の餌の研究を進めていくにあたり、独自の技術によって生まれた発酵大豆「AglyMax(アグリマックス)」を開発。食品原料化して販売する目的でバイオティックス事業に着手。1999年1月に設立された。

 同社代表の天海智博氏は、順天堂大学で医学博士を取得。ハーバード大学を経て、長年、研究員として大豆由来抽出物の研究に携わる。同社の大豆原料の研究についてはハーバード大学や京都大学など、国内外の大学・研究機関との共同研究で、大豆のイソフラボンを多く含む胚芽部分を麹菌発酵させることにより、吸収性の優れた「アグリコン型イソフラボン」に変える新技術を開発。

 この技術から生み出されたのが、アグリコン型イソフラボン(麹菌発酵大豆胚芽抽出物)『AglyMax』。遺伝子組み換えをしていない良質な大豆胚芽が原料。『AglyMax』に含まれるアグリコン型イソフラボンは、主にダイゼイン・グリシテイン・ゲニステインの3種類から成り立っているが、なかでもダイゼインが約70%を占めることが大きな特徴で、日米欧で特許を取得している。

 天海代表は大豆イソフラボンについて、「イソフラボンは、女性ホルモンの一種である『エストロゲン』と分子構造がよく似ている。そのため、イソフラボンを摂取すると、体内でエストロゲンと似たような働きをして、ホルモンバランスの乱れによるさまざまな症状を緩和してくれることは世界中の多くの科学者の研究で確認されている」と話す。同社はアグリコン型イソフラボンの機能性研究について数多く発表しており、08年1月に、ハーバード大との共同研究でアグリコン型大豆イソフラボンによる女性の更年期に対しての研究成果が、米国の更年期医学会医療雑誌「Menopause」に掲載されたことを始め、2月に武庫川女子大学と、ヒトの子宮内膜上皮細胞における発酵大豆胚芽抽出物の調整作用の研究で、発酵大豆胚芽抽出物が、ヒトの子宮内膜上皮細胞での妊娠・着床に不可欠なサイトカインである白血病阻害因子(LIF)と、トランスフォーミング成長因子β(TGF-β)の分泌、グリコデリンタンパク質の発現に対する調整作用を世界で初めて発見。不妊に対しての作用が、同年2月に英国の内分泌医学雑誌「J.Endocrinology」誌に掲載された。同年6月にはハーバード大との共同研究で、卵巣摘出した更年期マウスモデルにおける食餌誘導した肥満に対する研究論文と、(医) ソフィアレディスクリニックなどと共同での閉経前日本人女性の体組成における内臓脂肪の作用について研究を行った成果が、英国の医学専門雑誌「Clinical and Experimental Pharmacology and Physiology」に掲載された。

 今年1月には東京工業大学と豊橋技術科学大学との共同研究で、動物試験による、神経切除後の筋萎縮と、加齢性筋減弱症への可能性における機能性研究について、「European Journal of Nutrition(欧州栄養学会機関誌)」のオンライン版で掲載されたほか、5月には、京都府立医科大学との共同研究で、動物試験で実施した子宮内膜症の治療における研究成果および子宮内膜症間質細胞増殖抑制のメカニズム、子宮内膜症マウスモデルを用いた病変形成抑制が確認され、研究成果はバイオ関連学術誌「The Journal of Steroid Biochemistry and Molecular Biology」で論文掲載された。

(つづく)

<COMPANY INFORMATION>
ニチモウバイオティックス(株)
所在地:東京都品川区東品川2-2-20
TEL:03-3458-3510
FAX:03-3458-4330
URL:http://www.nichimobiotics.co.jp
事業内容:健康食品の原料販売

(後)

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