大都技研、「番長」とともに業界の頂へ
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V字回復、300億超の増収
パチンコ・スロットメーカーの(株)大都技研(以下、大都)は、2017年3月期の決算で売上高138億9,200万円、当期赤字19億5,000万円を計上し、2期連続の最終赤字となった。遊技業界では、遊技愛好者の減少⇒パチンコホールの統廃合⇒新台導入数低迷といった悪循環が生まれており、数々のオリジナル人気コンテンツを輩出してきたメーカー界のトップクリエイターである大都も、この流れからは逃れられなかった。
しかし、18年3月期で同社の業績はV字回復を見せた。売上高は前期比373億9,700万円増となる512億8,900万円を計上し、当期純利益は赤字から一転、115億7,800万円の黒字に回復した。見事なV字回復を支えたのは、同社の人気オリジナルコンテンツ「番長」シリーズだった。
18年3月期の業績向上の立役者であるスロット「押忍!番長3」の販売台数は7万台を超え、2017年最もホールに導入された(=売れた)スロット機となった。また、18年10月24日現在、中古市場で同スロット機は20~40万円台で取引されており、いまだ高い人気を維持していることがわかる。
番長3では、ゲーム数(スロットを回した回数)ではなく、ベル回数(スロットでベルを引いた回数)で当たりや当たりにつながるチャンスゾーンの抽選を行う“ベルカウンターシステム”が採用された。この独自システムの提案が功を奏した格好だ。
6号機第一弾を市場投入
勢いにのる大都は18年10月1日、強化された規制に対応した新基準機、通称スロット“6号機”を業界の先陣を切って市場に投入した。タイトルは『Hey!鏡』。同社のオリジナル人気コンテンツ「番長」シリーズからのスピンオフだ。
パチンコホールへの導入後、間もなく1カ月が経とうとしているが、市場の反応はどうだろうか。『Hey!鏡』はすでに再販も決まっていることから、初販の約2万5,000台は完売したと考えられる。販売価格が40万円台であることから、販売開始から1カ月足らずで少なくとも100億円の売上高計上に貢献していることになり、出だしは好調といえる。
コーヒーマシーン事業を吸収分割
大都は、18年9月1日を効力発生日として、これまで自社で手がけていたコーヒーメーカーの企画・製造・開発・販売事業の権利義務を、関連会社の(株)Tree Fieldに吸収分割。本業の遊技関連事業に集中する環境を整えている。
権利義務を承継したTree Fieldは世界初となる全自動スペシャルティコーヒーマシン「FURUMAI」で注目を集めており、18年9月26日~28日の3日間で開催されたアジア最大のスペシャルティコーヒーイベント、「SCAJ2018」に同マシンを出展。試飲イベントも行い、高い評価を得ている。
メーカー界の頂へ向けて、着々と体制を整える大都。遊技機にとどまらない「コンテンツ創造カンパニー」を目標に掲げる同社が、次に何を仕掛けてくるのか注目だ。
【代 源太朗】
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