2024年12月29日( 日 )

成長産業「観光産業、インバウンド」~全国商工会議所観光振興大会2018年㏌会津若松に参加して(後)

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災害による風評被害への対策

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 分科会の基本テーマは「地方都市の観光創造に向けて~地域が輝くために~」である(会津若松商工会議所・会頭 渋川恵男氏の挨拶参照)。第一分科会では「広域連携が生む、新しい観光の価値」と銘打って「競争から協働によって点から面へと魅力アップへ。各地の先進事例を基に広域連携成功の道を探ります」と謳っている。続く第二分科会では「地方の都市のインバウンド、大都市のインバウンド」を掲げて「地方都市が輝いてこそ生まれる相乗効果。訪日客の心をつかむ術と大都市、ゴールデンルートとの共存を考えます」とつながっていく。第三文科会では「モノからことへ」の強調が流行していることを背景に「歴史資源を生かした観光地づくり」として「物見遊山から脱却し、過去から未来へ新しい歴史観光を紡ぐ。戊辰の節目を迎えた会津を題材に議論します」としている。

 ここで注目される「こと」とはストリーのことである。会津は明治維新をめぐる歴史的遺産の蓄積を「こと」に転化できるだろう。

 最大に厄介な問題は災害問題である。第四分科会では「災害と観光、風評とその脱却」に力点をおき「東日本大震災は本県の観光に大きな傷跡を残し、風評被害との戦いは今も続いています。過去に例がない経験を伝え、未来への備えとします」と宣言した。確かに福島県は“地震と原発”の被害に遭い、今でも風評被害に悩まされている。原発による土壌汚染に関しては正常化までまだ道半ばである。

 「最大に厄介な問題」と指摘したが、これは「災害を食い止めることはできない、どこでも被害に遭う危険性がある」ということだ。地球温暖化による猛烈な台風の発生、記録にないほどの大雨水害、大地震発生の可能性は日本津々浦々、同じ確率で存在する。毎年最低でも6カ所程度で自然災害による致命的打撃を受ける可能性が考えられる。この厄介な問題に対しては事後処理でしか対応できないのである。

 第五分科会では「ICTが開く観光の未来」を売りにして「ICT技術の進展は観光業に大きな衝撃を与えています。デジタルによるリアルの誘客、マーケティングへと結ぶ最前線を学びます」と明示する。ITの有効活用がすべてを制するということである。

 観光・飲食部会の粥川昌洋部会長は「この大会の中味は毎年、充実・深化している。それだけ全国、各地域でインバウンドビジネスの成功体験が増えてきているからだろう。非常に勉強になる。大牟田商工会議所からも8名の方々が参加されており、その熱心さには頭が下がる。2019年の金沢大会ではわが福岡商工会議所からも最低、20名参加できるように努力する」と総括した。

「会津若松と磐梯山」観光のご案内

 (1)会津若松の歴史と、江戸時代の雰囲気を残した都市の雰囲気を味わう、(2)表磐梯山、裏磐梯山を眺め、温泉に浸かる、この2つのコースを堪能されることをお奨めする。時間に余裕のある方々は3泊4泊しても構わないが、時間のない方には「1泊2日」で会津若松を堪能できる最短コースを伝授しよう。

 福岡空港発新潟行き(午前8時発)の飛行機に搭乗すると午前9時50分には新潟に到着する。レンタカーを借りて活動を開始できるのが午前10時30分。磐越自動車道を使う。まっすぐ行けば正午には会津若松に着くが、手前の喜多方でラーメンを味わう。

 午後1時から午後6時までの5時間(午後5時まででも良いだろう)あれば会津若松の主要な観光名所は散策できる。お奨めのホテルは裏磐梯山の温泉地にあるホテルである。裏磐梯山のホテルには1時間あれば到着可能だ。温泉に入った後の福島の地酒は本当においしい。

 2日目、活動を開始するのは午前9時からで結構。裏磐梯三湖=檜原湖などを遊覧。昼食は表磐梯山を展望するレストランで楽しむ。猪苗代湖を一周し、野口英世記念館で午後3時のアフタヌーンティーを楽しむ。

 「そんなにゆっくりして良いのか!!」と不安に駆られる方もいるだろう。そんな方には「大丈夫!!午後4時に出発すれば間に合います」と自信をもっていえる。午後6時前に新潟空港に着けば十分。福岡発は午後6時40分で福岡空港に着くのは午後8時20分。今回のコースは朝から夜までフル活動ができるので便利だ。新潟、福島、山形を旅行するにはこの便を使うべし。

(了)

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