くるり九州ひたすら歩く旅~九州一周、完歩を目指す(19)
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国道3号線と10号線をひたすら歩く“九州一周完歩”の旅。走行距離は実に833kmにおよぶ。週末を利用しつつ、実際に現地に赴き九州の大動脈を歩く旅。北九州市から10号線を南下するコースと宮崎市から北上するコースという2コースに分かれた旅を展開している。今回は、この旅最大の難所ともいえる宗太郎峠が立ちはだかった。
9月15日(19日目)
臼杵市野津町南野津バス停からJR宗太郎駅~43.4km実は今回のコースは2度目の挑戦となる。前回、9月9日は大雨のためにやむをえず中止したのだ。
臼杵市野津町の南野津バス停に到着。今回は、これからの旅路を左右する重要な旅となる。どれだけ県境に近づくことができるかが鍵となる。
道は大きく曲がりくねり、緩やかなアップダウンがあるが、ほとんど下りなのでありがたい。トンネル内で臼杵市と佐伯氏の境を越える。番匠交差点から番匠川にかかる橋を渡ると上り坂へと変わった。時間は深夜、少しだけひんやりしてきた。秋風を感じる。
国道10号線は日豊本線とともに峠に向かって登っていく。ポイントとなる番匠交差点から約5km経過したので、近くのJR直見駅で小休止する。これから直川駅、重岡駅、そして宗太郎駅まで何としても歩かなければならない。その後、周囲には森林が多くなってきた。直川駅の周辺には集落もあり、街の明かりが見える。さらに歩いていくと空が白み始めたので小休止していると、散歩中の老人に何をしているのかと尋ねられる。「九州一周完歩旅」をしていると説明すると、これまでと同様、ひどく驚かれた。小休止を終え、再び歩き出すと急坂にさしかかる。この坂を登れば、もう少しで重岡駅に到着するはずだ。
ここで、この旅最大のミスがわかった。帰りの時刻表を確認すると、大分方面は午前6時47分発、午後5時48分発、午後8時16分発の3本のみしかなく、宮崎方面は午前6時47分発だけの合計4本しかない。困った。タクシーを呼ぶか、ほかに交通機関がないか駅周辺を見渡す。するとバス停があり、小さなバスが停まっているではないか。詳しい経路は分からなかったが、「この際、北方面向かうバスならなんでもいい!」と考え、このバスに飛び乗る。
車内で分かったのは、乗ったバスは「大野竹田バス」で、豊肥本線のJR三重駅に着くらしい。「なんてラッキーなんだ!」。三重駅から重岡駅へと向かい、そこからJR宗太郎駅に向かって歩く。そして、ようやく宗太郎駅に到着した。
その後、車で宮崎県に入る。何度も睡魔に襲われながらも、なんとかJR南延岡駅前にある愛宕旅館にチェックインし、しばしの休憩。しかし、数時間後には再度駅に戻り、宗太郎峠に挑むことになる。
(つづく)
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