2024年11月23日( 土 )

歯科医師業は継承するに値しない時代?

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 福岡県内には3つの歯科医師を送りだす大学がある。歯学部を擁する大学を3つも持つのは、全国でも東京都と福岡県のみ。さらに、福岡県内3大学(九州大学、九州歯科大、福岡歯科大)を卒業する歯科医師たちの結婚相手は、大半が福岡定住を薦めるという。よって福岡県、特に福岡都市圏には歯科医師たちが溢れるようになってしまった。稼げる職業として人気だった歯科医も、いまや開業しても年収500万円に満たない層が多くなったとか。

 72歳の歯科医師は、3代に渡って患者と向き合ってきたからそれなりの繁盛はしている。弟も開業したが、息子がおらずに昨年廃業した。同期は120名いた。同窓会があったが、20名は故人となっている。この故人の他に50名が廃業しているようだ。残り50名が開業を続行している計算になる。聞くところによると、50名のうちで歯科クリニックを身内に譲れる目途がついているのが30名だそうである。……何と将来性のない職種か。

 店じまいするには歯科治療機械の処理から院内のリフォーム完了まで500万円が必要だそうだ。ある友人が廃院することを決めた。「無料で歯科医院をあげます」と告知すると、さっそく開業を志す歯科医がやってきた。「駐車場はありますか?」とたったひとこと質問があった。「ありません」と返答すると、「では、けっこうです! サヨーナラ」で帰っていったという。結局、300万円かけて廃院してしまった。

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