2024年11月05日( 火 )

地面師の次の一手? 手付詐欺に注意

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積水ハウス事件の舞台とな
った東京五反田の「海喜館」

 「これからは地面師による手付詐欺が増える」―不動産会社社長Aは話す。積水ハウスが地面師から63億円を騙し取られたことで、一躍脚光を浴びることとなった地面師についてAは、「心理をうまくついてくる。地面師が提示してくる不動産の価格は、市場の3~4割引と安いことが多く、儲かると思うといい部分しか見えなくなる」という。

 積水ハウスの事件のような本契約だけでなく、手付契約が危ないという。手付の場合、金融機関も第三者的な役割をはたしにくいため、詐欺のハードルが下がる。手付は物件価格の1割であることが多く、地面師にとってはリターンが少ないが、10社をカモにすれば物件価格になるのだ。

 主に東京都内で暗躍する地面師だが、福岡市でも「あり得る」(A)という。福岡市中心部ではホテル需要が高まっており、物件価格も上昇傾向にある。すでに福岡市中心部では、至るところでホテル開発が行われているが、「まだまだ投資家からのホテル需要は衰えていない」(A)という。そこを地面師がついてくる恐れがあるというのだ。

 狙われやすい物件は、抵当権など担保権が登記されていないものだという。福岡市でも地面師詐欺が行われる可能性があるということに注意しておいたほうが良いだろう。

【永上 隼人】

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