「対米従属・軍事大国」を脱し、「平和と共生の政治」を実現!(前)
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2月16日(土)の午後6時30分~9時20分、文京区民センターにおいて公開シンポジウム「脱 大日本主義のすゝめ」(主催:「友愛政治研究会」 後援:「村山首相談話を継承し発展させる会」)が開催された。開場前には長蛇の列ができ、全国から約300名が参集した。各講師の発言に、時折大きな拍手が起こり、会場は大いに盛り上がった。
総合司会である木村朗・鹿児島大学教授の開会挨拶に続いて、鳩山友紀夫・東アジア共同体研究所所長(元内閣総理大臣)が「友愛政治研究会」を代表して挨拶し、基調講演「いまなぜ脱大日本主義なのか」を行い、続いて3人の講師が登壇した。
鳩山友紀夫・東アジア共同体研究所所長 「いまなぜ脱大日本主義なのか」
<今日本の政治は完全に腐敗しております>
鳩山氏は「今日本の政治は完全に腐敗しており、その影響で行政も産業界も学会も、さらにはマスメディアまでもおかしくなってしまいました」と話し始めた。そして、本日耳を疑うニュース「安倍首相がノーベル賞関係者にトランプ大統領を推薦した」が流れてきました、と続けた。その推薦理由が「日本の領土を飛び越えるミサイルが発射されなくなった」というものであるならば、南北朝鮮も統一へ向かい、日中関係も大幅に改善の兆しがあるなかで、役に立つとも思えない「イージス・アショア(陸上配備型迎撃ミサイルシステム)」を2基(約2,350億円)や「F35(1機約150億円)」100機(約1兆5千億円)を、トランプ大統領にいわれるままに購入する必要があるのでしょうか?とその矛盾点を指摘した。
<大日本主義へ進んでいる兆候が2つある>
安倍首相はよく「世界の情勢は不安定になっています」と喧伝していますが、少なくとも東アジアにおいては逆の方向に動いている事実を指摘した。
続いて、鳩山氏はこのように世界が平和へと向かう流れのなかで、日本がなぜ再び「大日本主義」(殖産興業政策➡植民地支配➡第2次世界大戦突入➡敗戦という過去)に進んでいく必要があるのでしょうか?と語った。大日本主義へ進んでいる兆候として、鳩山氏は「原発促進」と「国連安保常任理事国入り」を挙げた。原発促進には、「核兵器をつくる技術を残しておきたい」気持ちが見え隠れし、国連安保常任理事国入りには、確固たる目的がまったく見えてこない。鳩山氏は東南アジア諸国を歴訪した際、首脳レベルの多くから「日本が常任理事国になってもアメリカの票が1票増えるだけでしょう」と言われ、返す言葉を失った過去も披露した。<抑止力というのは能力×意図のことである>
最後に、鳩山氏は「抑止力」というのは、「能力」×「意図」のことであり、意図がなければ脅威は存在しないと語った。そのうえで、外交努力によって、意図をなくさせることが日本の唯一生きる道であると明言した。対話と協調によって、東アジアが一緒になれる機関が必要であり、「東アジア共同体」もその1つと思って活動を続けていると語った。そして、その発想の根源として「友愛」(日本と価値観の異なる国に対して互いの立場を認め合いながら、共存共栄をしていく)外交精神を大事にしたいと締めた。
鳩山氏の基調講演を受けて、2番手に登壇したのは、政治経済学者の植草一秀氏である。
植草一秀・オールジャパン平和と共生運営委員 「『シェアノミクス』政策連合による市民政権樹立の方策」
<国民に、主権を取り戻したのが鳩山内閣>
植草氏は開口一番「鳩山内閣はなぜ潰されたのか」について言及し始めた。そして、戦後日本を支配してきたのは「米(米国)・官(官僚)・業(大企業)・政(売国政治家)・電(マスコミ)の利権複合体」であり、その構造を根底から覆し、国民に主権に取り戻したのが鳩山内閣であった事実を明らかにした。官僚の天下りを根絶し、大資本が政治を支配する根源的なツールである「企業献金」を廃止した。主権者・国民の味方であったゆえに、わずか8カ月で潰された。しかし、10年経った今日まで「正義」の復活に脅威を感じる既得権者によるパッシングが鳴りやまないことが何よりの正義の証と語った。
<消費税は大企業や金持ちを優遇するため>
その後、植草氏は政治経済学者として、当日配布の詳細統計資料を基に、安倍政権における経済政策運営の数々の問題点を指摘した。1つは「消費増税」についてであり、植草氏は「消費税を10%に上げれば、間違いなく日本経済は再び転落する」と明言した。そして、何よりも、消費増税が「財政再建」や「社会保障」のためと言われているのはまったくの嘘であることを糾弾した。それは明快で、この27年間、国の税収は変化なく約55兆円で推移している。変わったのは税の構成で、法人税は9兆円、所得税は4兆円減り、消費税だけが14兆円増えている。消費税は大企業や金持ちを優遇するために、つまり、法人税と所得税を減らすために使われたに過ぎないことが判明した。<アベノミクスの総合成績評価は「不可」>
さらに、第2次安部内閣発足以降の経済成長率は、民主党政権時代(+1.7%)より低い+1.3%であり、アベノミクスの総合成績評価は「不可」と語った。安倍政権になってから労働者1人あたりの実質賃金は、基本的に減り続けている事実も付け加えた。今話題の改竄は、そのことが国民にばれないようにした2019年度の選挙対策であることも暴露した。そのほかにも、国の財政危機(借金問題)の嘘、財務省バランスシートの嘘など、数々の国の統計に見られる嘘を指摘した。(つづく)
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