2024年09月02日( 月 )

当たり屋集団が福岡来襲?……じつはデマ情報~ネットを漂流する都市伝説

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2桁の車両ナンバーに、5ナンバーの
クラウン?不自然な「当たり屋」リスト

 福岡県内の企業経営者の間で、「緊急通報」とする「当たり屋グループ」のデマ情報が拡散していることがわかった。

 拡散しているのは、「当たり屋グループが山口県、関西方面からも来ています」という書き出しで始まるチラシで、「サイドブレーキを引いて止まるのでストップランプは点灯しません」などと、当たり屋の手口をもっともらしく紹介している。

 チラシには、当たり屋グループのものとされる34のナンバーをリスト化したものが添付されている。山口ナンバーが最多の17、他に大阪ナンバーや姫路ナンバー、神戸ナンバーなどが混じる手の込んだものだが、車両ナンバーが2桁であることや、通常は3ナンバーのはずのクラウンが5ナンバーとされているなど不自然な点が多い。

 福岡県警はデータ・マックスの取材に、「指名手配などを除いて、そのようなリストを配布することはない」として、警察関係者が作成に関わった可能性を否定する。また、ネット上には、今回のものとまったく同じチラシが「1980年代にはすでに出回っていた」とする情報もあり、チラシに掲載された情報が極めて信憑性に欠けることがわかった。

 いわゆる都市伝説を利用したデマチラシだが、要注意ナンバーを見かけた際には110番に通報するように書かれていることや印刷されて出回っていることから、警察が流した注意喚起だと誤認したケースが多かったようだ。

 警視庁によると、悪質なあおり運転に対する危機感からドライブレコーダーを装着する車が増えているため、結果的に「わざと車にぶつかって因縁をつける」という当たり屋行為も減少傾向にあるという。技術革新が古い生業(?)を駆逐する波がここでも、ということか。

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