JR九州・新中期経営計画~「博多駅空中都市構想」や新たな観光列車運行など盛り込む
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九州旅客鉄道(株)(福岡市博多区)(以下、JR九州)は19日、新たな中期経営計画(2019~21年度)を発表した。不動産・ホテル事業などの収益力の強化により、22年3月期の営業収益を、19年3月期の4,385億円(予想)から4,800億円まで引き上げる。一方で、税制特例措置廃止や減価償却費増大による費用の増加により、22年3月期の営業利益は570億円と、19年3月期の619億円(予想)からの減益を見込む。期間中の設備投資総額は3,400億円を見込んでおり、そのうち2,100億円を成長投資に充てる。
今回発表した新中期経営計画では、重点課題として「更なる経営基盤強化」「主力事業の更なる収益力強化」「新たな領域における成長と進化」を掲げている。
「更なる経営基盤強化」に向けては、ガバナンスの強化と効率的なセグメント経営を通じてグループ経営の強化を図っていく。具体的には、19年4月1日付で駅ビル・ホテル事業における中間持株会社を設立する旨や、「駅ビル・不動産」セグメントを「不動産・ホテル」セグメントへと区分変更し、不動産事業とホテル事業を一体的に強化していくことなどが盛り込まれた。
「主力事業の更なる収益力強化」に向けては、「収支改善による持続的な鉄道サービスの構築」と「拠点地域の戦略的まちづくり」の2つに大別。
鉄道サービスでは、JR九州の観光列車である「D&S(デザイン&ストーリー)列車」の新たな運行による観光資源の発掘や、鉄道沿線開発などとのシナジーの最大化、新幹線を活用した物流事業の検討などにより、運輸サービスセグメントで22年3月期の営業収益1,840億円、営業利益210億円を目指す。一方の戦略的まちづくりでは、熊本駅周辺開発や宮崎駅西口開発では駅ビルを中心とした開発を計画するとともに、博多駅線路上空を活用した「博多駅空中都市構想」など、駅を拠点とした新たなまちづくりを進めていく。これにより、不動産・ホテルセグメントでは22年3月期の営業収益1,130億円、営業利益240億円を目指す。
さらに「新たな領域における成長と進化」では、九州で強みを培った事業領域の国内・海外展開や、技術革新をとらえた事業の進化などを掲げ、新業態ホテルブランドやマンション事業の国内・海外への展開や、新たなモビリティサービス(MaaS)への挑戦などを盛り込んでいる。
なお今回、新中期経営計画と併せて新たに「2030年長期ビジョン」を策定。九州のモビリティサービスを担う企業グループとして、安心・安全なモビリティサービスを軸に、「地域の特性を活かしたまちづくりを通じて九州の持続的な発展に貢献する」と掲げている。
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