無投票では分からない本当の評価~仁戸田元氣県議
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福岡県議会議員選挙、福岡市西区は定数3に対して3名が立候補し、各候補が無投票当選をはたした。当選を喜ぶ候補者がいる中、「無投票」という現実に危機感を募らせた候補者もいる。福岡県議会議員として3期目を迎えた、仁戸田元氣氏だ。
「4年間の通知表」
仁戸田県議は、今回の県議会議員選挙に自信をもって臨んだ。2期8年の活動を通じて、活動拠点とする福岡市西区の住民と相応の信頼関係を築けたという確かな手応えを得られていたからだ。仁戸田県議にとって、今回の県議会議員選挙は自身の得た手応えと、実際の評価との答え合わせの場であったともいえる。しかし、仁戸田県議が有権者から「通知表」をもらうことは叶わなかった。
「どのような結果であれ、得票数を知ることで『自分はこれだけの方々に背中を押してもらえているんだ』と自信をもつことができます。また、自分を支持して下さった方との交流を通じて、地域が抱えている課題、その解決のために何をすべきなのかを、新たに学び直すきっかけにすることもできます。無投票当選というのは、そういった機会の損失でもあるのです」(仁戸田県議)。
「若い世代への期待」
得票数が見えるということは、日々の活動に対する自信の醸成や新たな学びの場を得ることにつながる。無投票は民主主義の危機であると同時に、1人の議員が成長するきっかけを失うということでもあるのだ。では、どうすれば無投票という状態を改善できるのか。仁戸田県議は若い力に期待を寄せる。
「私は月1回、九州大学の学生たちとの交流会を設けています。そこで感じるのは、九州屈指の優秀な人材である彼らも、挑戦以上に『安定』を求める傾向にあるということです。九州電力などの地場大手企業への就職を望む学生は少なくありません。起業や政界への進出を将来の選択肢に入れている学生はごく僅かです。選挙でいえば、40代以上の人が挑むのと、20,30代の人が挑むのとでは4年という時間の重みがまったく変わってきます。無論、先達としてのサポートは全力で行っていきます」(仁戸田県議)。
価値観の多様化が加速度的に進む中、千差万別の有権者の声にどれだけ応えていけるのかという問題はある。しかし、誰も挑戦しなければ、変化も生まれない。無投票という結果を減らすためには、一歩を踏み出す勇気と、それを支える覚悟が必要だ。
<Profile>
仁戸田元氣(にえだ・げんき)
1979年8月生まれ。日本大学法学部政治経済学科卒業後、(株)神戸製鋼所入社。衆議院議員(元内閣総理大臣)秘書などの経験を経て、2011年、福岡県議会議員初当選。3期目を迎え、朝倉市の復興支援や地元福岡市西区の課題解決に、党の垣根を越えて取り組んでいくと決意を新たにする。【代 源太朗】
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