上場企業が集中する福岡市の魅力を検証する(1)
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日本の証券取引所は、2013年7月16日、日本取引所グループ(JPX)傘下の東京証券取引所と大阪証券取引所(現・大阪取引所)が合併して株式市場を統合したため、現在は東京証券取引所(東証)、名古屋証券取引所(名証)、福岡証券取引所(福証)、札幌証券取引所(札証)の4カ所となっている。
福証は1949年、福岡市中央区天神二丁目4-2号に開設された九州圏で唯一の金融商品取引所で、2000年5月に新興企業向け市場Q-Boardを開設している。
【表1】を見ていただきたい。
〜この表から見えるもの~
福証が商圏とする人口の推移表である。九州7県および隣県の山口県・沖縄県を含めた総人口は1,568万人。3年前の国勢調査から人口が増加しているのは沖縄県と福岡県の2県だけで、残り7県は減少している。
・福岡県は5千人の増加となっているものの、内訳を見ると福岡市が4万1千人増の157万9千人。北九州市は▲1万6千人の94万5千人となっており、福岡県の人口増は福岡市の増加によるものだとわかる。
・福岡市の人口は、九州3位の鹿児島県につぐ4位の位置にあり、沖縄県、山口県、長崎県、大分県、宮崎県、佐賀県よりも多い。
九州の政令指定都市は北九州市、福岡市、熊本市の3市。政令指定都市であっても地域経済の衰退や人口の高齢化により北九州市、熊本市の人口は減少している。九州の中心都市である福岡市だけが、新規人口の流入により膨張を続けているのがわかる。
・半面、人口が3年前の国勢調査より大きく減少しているのは、長崎県で▲3万6千人(▲2.6%)。次が山口県で▲3万5千人(▲2.5%)。今後はこの2県だけでなく、他県もさらに人口の減少が加速するものと推測されている。
【表2】を見ていただきたい。
〜この表から見えるもの~
福岡証券取引所に上場している企業は109社となっている。
・福証に上場している企業は前年比▲4社の93社で、うち九州・沖縄に本社を置く企業は42社で、そのほか51社となっている。
Q-Boardは前年比2社増加して16社。その内訳は九州に本社がある企業が11社。そのほか5社(東京都1社・大阪府1・山口県3社)となっている。上場資格は、「九州周辺に本店を有する企業または九州周辺における事業実績・計画を有する企業」となっている。その業種を見ると不動産業が5社、サービス業が4社と過半数を占めており、福岡市を中心に開発・出店を進めて成長したいとの意図が読み取れる。
15年3月末の福証上場企業は114社(福証/103社・Q-Board/11社)だったが、19年3月末は5社減少し109社となっている。Q-Boardは5社増加して16社となったものの、福証上場は10社減少して93社となっている。福証の運営は主力の福証上場企業が毎年減少しており、厳しい状況にあるようだ。
(つづく)
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