中国経済新聞に学ぶ~ミレニアル世代 世界ぜいたく品の購入主力軍に(後)
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中国の若者に高い購買力があるのはなぜか。ランヌ氏は、「研究の結果からわかったことは、中国のミレニアル世代の中のかなりの部分が自分の家を持ち、家からある程度の資金をもらうと同時に、自分で働いて得た収入もあり、可処分所得が多いということ。またミレニアル世代はたくさんの情報ルートをもっているのでぜいたく品に関する情報によく接し、ぜいたく品産業をよく知っているということだ」と話す。
ランヌ氏の見方は既存の報告書に基づいている。HSBCが17年に発表した世界の住宅保有者に対する調査報告書「レンガ・瓦の上‥住宅の意義」によると、中国はミレニアル世代の住宅保有率が最も高い国で、欧米諸国を上回る70%に達し、世界一だ。ただ、中国の回答サンプルをみると、都市部の回答者が85%を占めている。
いずれにしろ、中国人消費者は世界ぜいたく品市場の消費で軽視できない存在になっている。ベイン社が提供したデータによると、中国人購入者のぜいたく品消費の総額は世界市場で33%のシェアを占め、つまり中国人は18年に世界のぜいたく品の3分の1ほどを購入したことになる。3年前は31%、18年前はわずか1%だった。
これと対応する変化は、中国が世界最大のぜいたく品の潜在的消費市場であると認識した世界の大手ぜいたく品ブランドが、中国での店舗戦略やマーケティング戦略を調整するだけでなく、中国人消費者向けの限定商品を打ち出すようになったり、ますます多くの新製品を中国で最初に発売するようになったりしたことだ。
エルメスを例にすると、今年2月に発表した18年第4四半期の決算によれば、アジア太平洋市場で固定レートの売上成長率が11.6%を記録し、日本の8.1%の成長率を除いて計算すると13.1%になる。今年初めには香港、長沙、西安に直営店をオープンし、上海IFC店をリニューアルした。
「中国の発展が一定の段階に到達すれば、現在の日本のように低欲望社会に突入する」と予言する人がいるが、ぜいたく品企業が今こうした問題を考えるのは時期尚早だ。楽観的な見方をする人は、「現在の成長ペースがしばらく続く。中国のミレニアル世代がぜいたく品への興味や購入意欲を失うことはない」という。
UBS銀行が最近行った調査では、ミレニアル世代の71%がお金に関する今後の見通しに楽観的な態度を取り、81%は収入が増えると考えていた。だが、ぜいたく品企業が警戒しなければならない側面もある。賃料、マーケティング費用、オピニオンリーダーとの協力などを含め、各種費用が増加するのにともない、中国市場でのブランド経営コストも上昇を続けている。各ブランドともデジタルマーケティンクヘの投資も増やしている。ランヌ氏は、「デジタルマーケティングヘの投資は15年は一部分だったのが、今や半分を超える水準に達し、18年は60~70%だった」、と予想する。
(了)
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