福岡県の8信用金庫~その経営統合の行方を検証する(2)
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【表1】を見ていただきたい。九州7県にある地域金融機関(信用金庫・地方銀行)の分布図である。
~この表から見えるもの~
九州には27の信用金庫と18行の地銀がある(合計45)。最多は福岡県の13で、最少は長崎県の4となっている。
福岡県13。福岡ひびき・大牟田柳川・飯塚・筑後・遠賀・大川・福岡・田川の8金庫と福岡・西日本シティ・北九州・筑邦・福岡中央の地銀5行。
・佐賀県6。唐津・佐賀・伊万里・九州ひぜんの4金庫と佐賀・佐賀共栄の地銀2行。
・熊本県6。熊本・熊本第一・熊本中央・天草の4金庫と肥後・熊本の地銀2行。
・宮崎県6。宮崎都城・延岡・高鍋・南郷の4金庫と宮崎・宮崎太陽の地銀2行。来年1月に宮崎都城信金と南郷信金が合併を予定しており、1金庫減少し5となる。
・大分県5。大分・大分みらい・日田の3金庫と大分・豊和の地銀2行。
・長崎県4。たちばなの1金庫と十八・親和・長崎銀行の地銀3行。来年10月1日付で十八銀行と親和銀行が合併を予定しており、1行減少し、3となる。
九州の人口12,863千人に対して信用金庫のパーヘッドは476,412人で、地銀は714,618人となっている。
・信用金庫でパーヘッドを下回っているのは佐賀県で204,778人。次が宮崎県269,932人。以下、大分県380,981人。熊本県439,111人で4県となっている。
・地銀でパーヘッドを下回っているのは佐賀県が409,555人。次が長崎県の445,887人。以下、宮崎県539,864人。大分県571,472人で4県。
要は信用金庫だけではなく、地銀も含めてオーバーバンキングの状態にあることを示しているといえるのではないだろうか。
福岡県を見ると、信用金庫は638,937人、地銀は1,02,2,299人、合計は393,292人と、いずれもパーヘッドを大きく上回っているものの、支店数の多い福岡銀行や西日本シティ銀行、さらに都銀や他県の地銀との競争もあり、パーヘッドは通用しない経営環境にあることが読み取れる。
<まとめ>
日銀のゼロ金利政策に続くマイナス金利政策の影響を受けて、近年、九州の地域金融機関の経営環境は一変して厳しい状況になっている。規模の小さい信用金庫は、今までは何とか収益を計上できたが、今後は収益がマイナスに転じる可能性も出てきている。
これから、福岡県に本店がある8信金にスポットを当てて、将来予想される九州信金(27金庫)の大同団結(経営統合)の行方を検証していくことにしたい。
(つづく)
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