九大、フコイダンの免疫力向上の作用機序を新たに解明
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九州大学は、海藻由来の硫酸化多糖類のフコイダンが、β-グルカンと協調して免疫を活性化する新たな作用機序を明らかにした。
研究は同大学院宮崎義之准教授の研究グループによるもの。(株)ヴェントゥーノと(特非)NPOフコイダン研究所により設立された、機能性多糖分析学寄附講座における産学連携研究の一環で、日本学術振興会科学研究費の支援を受けて実施した。
研究は、生体外異物の排除にはたらく免疫細胞であるマクロファージの細胞表面上にフコイダンが会合する様子が顕微鏡観察によって示され、フコイダンとβ-グルカンの一種である「ザイモザン」が協調してマクロファージを活性化することや、その協調効果を発揮するためには「ラフト」と呼ばれる細胞膜構造が必要であることを見出している。さらにザイモザンは、異物の識別に関わる受容体タンパク質「デクチン-1」と相互作用することで、フコイダンのマクロファージ活性化作用をさらに増強することを明らかにした。
研究グループは「研究成果により、全容解明には至っていないフコイダンの受容体とその作用経路を解き明かすための道筋が開かれた。また協調的活性化に必要な受容体が解明されたことで、効果的な免疫促進作用を発揮する至適成分の組み合わせをもった機能性食品への応用展開が期待される」としている。
研究成果は、6月18日に国際科学誌「Biochemical and Biophysical Research Communications」のオンライン版に掲載された。
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