福岡県の8信用金庫~その経営統合の行方を検証する(6)
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【表1】を見ていただきたい。福岡県に本店がある信用金庫と地銀の自己資本比率順位表である。
信用金庫は国内基準の自己資本比率が適用され、4%以上が条件。
国内業務だけを取り扱う地銀は国内基準の自己資本比率が適用され、4%以上が条件。
一方国内・国際業務を取り扱う地銀の自己資本比は、国際統一基準(バーゼルⅢ)の適用を受けて、8%以上が条件。ちなみに国際統一基準(バーゼルⅢ) の適用地銀は、群馬・千葉・横浜・八十二・北國・静岡・滋賀・中国・山口・伊予銀行の10行。
~この表から見えるもの~
信用金庫の18年3月期の自己資本比率1位は、筑後信金で18.40%。続いて、2位大川信金、3位飯塚信金、4位大牟田柳川信金、5位遠賀信金、6位の福岡ひびき信金までが10%以上。
・7位の田川信金は8.65%、8位の福岡信金は8.35%で10%を割っているものの、基準の4%以上をクリアしている。
地銀の19年3月期の自己資本比率1位は、北九州銀行で11.15%(前期比▲0.37%)。北九州銀行だけが10%を超えている。
・2位は西日本シティ銀行で9.61%(前期比▲0.30%)。3位は福岡銀行で8.66%(前期比▲0.37%)。4位は筑邦銀行で7.34%(前期比▲0.22%)。5位は福岡中央銀行で7.02%(前期比▲0.26%)となっている。
全体を見ていえることは、8信用金庫の自己資本合計は1,375億円で、リスクアセットなどは1兆50億円。一方地銀5行の自己資本合計は9,514億円で、リスクアセットなどは10兆6,572億円とボリュームに大きな差があり、比較対象とならない状況にあるのがわかる。
そのなかで福岡銀行と西日本シティ銀行が自己資本比率を気にすることなく、熾烈な貸出競争を繰り広げており、信金やその他の地銀が大きな影響を受けているというのが実態のようだ。
【表2】は福岡県に本店がある8信用金庫の合併予想表である。
【表3】は九州地銀の経営統合予想表である。
<まとめ>
福岡県だけ人口は増加しているものの、九州の人口は減少している。また日銀のマイナス金利政策は地域金融機関の収益に影響を与えている。九州各県の単独地銀や福岡県に本店がある信用金庫は、経営統合して経費節減をしないと生きていけない状況になっている。
【表2】は福岡県にある信用金庫の合併予想表である。1次の合併後に福岡県北部と福岡県南部に分かれて、最終的な統合に進むものと推測される。
【表3】は九州地銀の経営統合予想表である。西日本FHの源流は相互銀行であり、第二地銀は西日本FHの傘下に入るものと予想される。当たるかどうかはわからないが、地域金融機関は経営統合の道を歩まざるを得ない状況にあるのは間違いないようだ。
(了)
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