廃棄物のグレーゾーン「アミシタ」はどこに消えているのか
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トロンメル回転式選別機 「多くの中間処理施設では、どうしてもアミシタが発生するが、実際に管理型処分場にもち込む業者は少ない。一体どこに消えているのか」――そう話すのは、福岡県内の産廃処理業界関係者だ。
主に建設工事で発生する安定型産業廃棄物(廃プラ、金属くず、ゴムくず、がれき類、ガラスくず、コンクリートくず)とそれ以外の廃棄物(木くず、紙くず)が混在しているものを建設混合廃棄物という。
これらは中間処理施設で手選別や風力選別、ふるいによる振動選別などを経て、それぞれ選別されたものがリサイクル、処分される。その選別過程でどうしても残ってしまうのが、「アミシタ」と呼ばれる廃棄物だ。
アミシタとは、概ね10ミリ以下のふるいから出てきた土砂、木くず、紙くずが混ざった管理型混合廃棄物で、ふるいの下に残ったものとして、「ふるい下残渣(ざんさ)」や「トロンメル(円柱形のふるい)残渣」とも呼ばれ、見た目は土砂に近いが安定型産業廃棄物以外が混在している。
2011年に環境省が通知した「建設廃棄物処理指針」によると、「建設混合廃棄物から 安定型産業廃棄物を選別した際に生じた残渣(いわゆる「ふるい下残渣」)は安定型産業廃棄物として取り扱うことはできない」とされている。そのため安定型処分場に処分することができず、管理型処分場にて適正に処理をしなければならないのが原則である。
前出の企業では写真のマニフェストのように、アミシタを管理型最終処分場で埋立処分しているが、業界では安定型産業廃棄物に混入して処理しているケースが多く、不適正処理がまかり通っているという。九州の場合、管理型産業廃棄物の処理費用は1m3=4~5万円で、安定型産業廃棄物の処理費用は1m3=4,000円~6,000円。管理型では、高額になるのがその一因だとみられる。
安定型処分場の埋立はサンドイッチ工法が基本で、一定の高さまで廃棄物を埋め立てたら、覆土を施す。この覆土の代わりに、アミシタをふりかけている業者もいるという。
「適正処理している企業がバカを見るような状況はいかがなものか。立ち入り調査の際、行政が、管理型処分場へ搬出している管理票(二次マニフェスト)を確認すればわかることなのだが・・・」と業界関係者。
【東城 洋平】
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