パスワード管理の現状と問題点(後)
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日韓ビジネスコンサルタント 劉 明鎬 氏
最近ではセキュリティ性を高めるために、生体認証など二段階認証が求められる場合も多い。しかし、現状はパスワードの管理が甘いところが多く、不正ログインによる被害が数多く発生している。
不正ログインが行われると、たとえば登録されている個人情報が漏洩したり、各種サービスを利用するためのポイントが奪われたりして、金銭的な被害に発展してしまう可能性もある。このような不正ログインを防ぐため、また効率的なパスワード管理を実現するため、利用者に代わってパスワードを管理してくれるサービスまで登場している。
もちろん無償ではなく、年会費を支払って利用することになるサービスである。しかし、このような会社は当然ハッカーに狙われることになるので、必ずしも安全とはいえない。実際そのようなウェブサイトがハッカー攻撃を受けて、パスワード情報が漏洩したケースがある。
最後に、パスワード管理に関して、このような一般人の悩みを解決するために登場した製品がある。韓国の(株)BTBLが今年8月に出荷することになっているログインマネージャ―(Login Manager)という製品である。USBタイプの製品で、利用したいウェブサイトを最初の1回だけはIDとパスワードを登録しないといけないが、2回目から本人はパスワードを覚える必要も、入力する必要もない、優れものである。
2回目からは指紋センサーにタッチするだけで、IDとパスワードが自動的に入力され、ログインできるようになっている。ウェブサイトは合計250サイトまで登録できるようになっている。パスワード情報は今まではサービス側のサーバーなどに保存されており、ハッカーに狙われていたが、この製品の場合、パスワードがUSBに暗号化されて保存されているので、とても安全である。1個のパスワードをハッキングするため、USBをハッキングするような無駄な努力をハッカーはしないからだ。
安全性だけでなく、この製品はワンタッチでログインできるという利便性に優れた製品である。高齢者にとってはパスワードを覚えたり、入力したりするのは大変なことだが、この製品はそのような問題をきれいに解決してくれる画期的な商品である。
この製品にはもう1つ嬉しい機能がついている。フォルダをロックする機能である。人に見せたくない写真、図面、会計情報などの大事な情報は、アクセスを制限したいものだ。そのようなフォルダがあれば、そのフォルダをドラグ&ドロップしただけで、そのフォルダにロックがかかる。ロックがかかったフォルダはアイコンも錠のかたちに変わり、クリックしてもフォルダは開かない。フォルダにロックがかかっていると、ランサムウェアなどの外部からの攻撃にも安全になる。
もちろん、これに類似した製品がまったくないかというと、そうでもない。しかし、同社は利用者の目線に立って、一番使いやすい製品を実現したと同社の李承晋(イ・スンジン)社長は胸を張る。同製品は8月1日から日本と韓国で同時発売になるようだ。
以上のようにパスワードはいろいろと問題があることを認識したうえで、本人が対応していくことが大事である。パスワードの問題はインターネットがある限り、なくならない厄介な問題だが、このような商品が登場したことは嬉しいニュースである。
(了)
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