2024年12月23日( 月 )

今は求人バブル?データから見る求人環境

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 厚労省は7月28日、「6月の有効求人倍率」が1.51倍を記録し、これまで問題視されてきた正職員の有効求人倍率も1.01倍と、2004年11月の調査開始以来過去最高を記録したと発表しました。
 しかし、「有効求人倍率」が全国のハローワークでの求職者数、求人数の数字で割り出されたもので、ハローワーク以外での求職者数、求人数が反映されていないということをご存じでしょうか。

 「有効求人倍率」で見ると、求職者にとっては売り手市場となっており、就職や転職に有利な環境にあると言えます。
 8月23日、厚労省が発表した「平成28年雇用動向調査」によると2016年1年間の入職者は、767万6,600人で入職率(※1)は15.8%、前年と比較すると0.5ポイント低下。一方の離職者は726万4,200人で離職率(※2)は前年と変わらず15.0%。入職者が離職者を0.8ポイント上回り、4年連続の入職超過となりました。この数字からも、求職には有利な環境と言えます。
 ただし直近4年間で見ると、入職率は低下してきています。求職者に有利な求人市場も、少しずつ変化してきているのです。

 また、正職員とパート労働者に分けて考えてみましょう。これまで有効求人倍率に関しては、「パート求人ばかりが増加し、正職員の求人数は増加していない」ことが問題となっていました。しかし、前述したとおり6月の正職員の有効求人倍率が1倍を上回り、正職員の求人も増加してきていると言えます。
 「平成28年雇用動向調査」を見ると、2017年1月1日の一般労働者(正職員)は前年比5万7,200人増加、パートタイム労働者は35万5,200人増加。正職員の雇用が増加しているとはいえ、パート労働者の雇用数の方がはるかに上回っていることがわかります。
 雇用者である企業としても正職員の雇用促進に対応しつつも、現在の求職者の売り手市場がずっと続くとは考えておらず、正職員の雇用に対し慎重なままです。
 一方で企業側の人手不足が深刻であることも確か。AIの導入を図るなど、「人材を雇用する以外の方法」で人材枯渇を乗り切る動きも加速してきています。

 求人数が増加し、求職者にとって有利な環境がずっと続くと楽観視せず、常に情報をキャッチしながら就職活動に臨む必要があるでしょう。

●有効求人倍率とは?
有効求職者数に対する有効求人数の割合。厚労省が全国のハローワークの求職者数、求人数をもとに算出しています。有効求人数を有効求職者数で割って算出し、倍率が1を上回れば人を探している企業が多く、下回れば仕事を探している人が多いことを示します。

●「雇用動向調査」とは?
 全国の主要産業における入職者数・離職者数、入職者・転職者の性・年齢階級、離職理由等を明らかにすることを目的とした調査。例年上半期と下半期の年2回実施されています。今回の調査結果は、2回の調査を合算して年計としてまとめたものになります。

(※1)入職率:年初の常用労働者数に対する入職者数の割合
(※2)離職率:年初の常用労働者数に対する離職者数の割合

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