ラグビー日本代表の快勝とトンガ代表について
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ラグビーワールドカップ2019™日本大会(以下W杯)開幕まで1カ月あまりとなった。
日本代表は3日、トンガ代表とテストマッチを行い(リポビタンDチャレンジカップ パシフィックネーションズ2019日本ラウンド 第2戦)、41-7で快勝した。
試合内容については専門誌など各報道機関がすでに、発信・分析を行っているので割愛する。
この試合の日本代表をみるとコンディションが右肩上がりに高まっているのが明白だ。パス・ラン・タックルなどのベーシックスキルがより精密になり、組織的な攻撃と守備戦術の意志統一がなされ、隙がない。6月中旬から先月末まで行われた直前合宿でのトレーニング成果が現れたことはたしかである。
一時は、ヘッドコーチのジェイミー・ジョセフ氏の手腕を疑問視する声も多かったが、今やそんな声は「どこに行ったのか?」と言いたくなるくらい、同氏を高く評価する論調ばかりである。
以前も述べたが、同氏は思慮深く、緻密な分析、具体的なコーチングやトレーニング計画、セレクションポリシーなどに定評がある。何よりも、選手やスタッフのモチベーションを高め、一体感を醸成する能力が突出している。16年前、同氏のサポートスタッフとして同行した際、その一端を垣間見ることができた。さらに同氏は、明るく、朗らかで、誰にでも温かく、皆に尊敬される人間力もあわせ持っている。
当然ながら、W杯の結果は、わからない。それでも、日本代表は前回(2015年W杯)の“ジャイアントキリング”が「今回もあるかも」と期待できる状態にあり、W杯開幕が楽しみである。
日本と対戦したトンガ代表は、スコア上は“大敗”であるが、同国の実力は、日本代表と同等である。個々の選手の能力を分析すると、日本選手より優れている面も多々ある。彼らはその優れた能力をいかすべく、ニュージーランドやオーストラリアに移住し、同国のナショナルチームを目指すケースが多くなっているのが現状だ。つまり人材が本国から流出している状態で、日本にも多数の同国選手が各カテゴリーに所属している。
その背景には、同国の財政的な課題がある。ラグビーに投資する財務力が、乏しいのだ。今回の試合において、日本の中小企業有志が、同国代表に資金スポンサードを行い、トップリーグのチームがハード面のサポートを実施したことは既報されている。
厳しい状況にありながら、日本代表とのテストマッチに果敢に挑んだトンガ代表に敬意を表したい。そして、有力な民間スポンサーが現れることを祈るばかりだ。
【河原 清明】
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